旧 太極拳よもやま話 未分類

遍身毛孔皆悉虚疏,即以心眼見身内三十六物・・・・・・

2013年9月28日

 これは金庸小説の中の言葉ですが、何故か幼い頃から太極内功を教えてくれた師馬岳梁より再三言われていたことです。大体の意味は「全身の毛細血管が開き、心の目で体の中の三十六個の部品を見る」です。と言っても実にふざけた話しですね。日本では気功をやっていて「紫の炎」を毎晩のように見る人は何人がと出会っており、心眼で体の中を見るなんて恐らくこの国ではない話しです。それもそうですが、中国本土に於いてもこのように雑念に犯されない気功師はいないでしょう。
 わたくしは人生の中で三度ほどこのような体験がありますが、最初にこの様な体験をした後は酷い「気功偏差」に陥ってしまいました。幸い、師馬岳梁が自分の内功でコントロールしてくれましたが、自分も現在色々な方に教えており、幸いながら初心者や中級者の方ばっかりでまだ太極内功を本格的に修練する方が身の回りに一人もいません。はっきり申し上げますと太極拳上級者になったところでは、いつも「気功偏差」という危険と隣り合わせをしておりますよ。肝心なところで雑念に犯されるとかなり危険ですね。日本語で肝心と言った時はもしかして、「肝臓」と「心臓」を見ているから「肝心」と言ったのだろうかどうかは分かりませんが、いにしえより伝わってきた日本語ですのできっと道教とも緊密な繋がりがあるはずですね。
 ただ、「心眼見身内三十六物」となると、かなりの静けさとかなりの良い環境ではないとなかなか実現出来ないことであり、食事をし過ぎる位でもかなり大きな影響を及ぼすことになります。自分の三度の経験はいずれ早春の季節でした。一瞬、目の前に真っ白になり、自分の体も透明な物体になり切りました。このような現象を師馬岳梁に話しをしていたら、はじめて肯定的な言葉を頂きましたが、これは「一番危険な時でもあると」師からの厳しいアドバイスも同時に出たわけです。そして、かつての太極拳大師達は推手時、常にこのような状態が続いたそうだと、馬師は引き続き言っていました。若き沈剛は師もいつもこのような「心眼見身内三十六物」状態でしょうかと伺うと馬師は自分に対して生涯に渡り一度だけの不満を現しました。その理由は「貴方は自分の修練をもっと没頭するべきだ、他人の太極内功の状態を聴くべからず」でした。
 やっと、自分も50になったのですが、この頃、やっと馬師が不愉快になった理由が何となくわかってきたような気がします。およそ、人様の太極内功の状態を気にする人は自分の太極拳修練に於いて大きな雑念が伴うことになり、「心眼見身内三十六物」などなんか程遠いでしょうね。
 まだいつか人と推手をしていかに人様の重心を浮かしたり、人様を上手く十三勢で片付けたりするつもりの人間でしたら、本物の静けさに入ることは到底無理です。
 それに、消費税増税前に何を購入するとか、太極拳先生が厳しいとか・・・
 ああ、世の中は本当に雑念が多いですね。

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