新 太極拳よもやま話

大架小架

2014年4月3日

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 太極拳は五つのメインの流派があることは恐らくどなたも認めています。勿論、ご察しの通り、五つのメイン流派にしてもきちんと練習せずに名前だけが家元であって、実質では一般の太極拳修練者とあかり変わらない実力の者もおります。本当はこのような私の口から何も言わないほうがよかったでしょう。

 五つの流派の中で、同じ流派の中でも大架拳と小架拳がまるで違う流派扱いをしているところもあれば、師匠がいて、名流の家元と言うご身分もあって、何故かいやいやで自分一人で独立し新たな流派を立ち上げてしまう方もおります。勿論、これで太極拳の「架」は今日のところ大中小が揃いましたね。いつものように、「呉式は小架だよね」と、言われていますが、当家ではあまり小架と言うふうに説明していないことは皆様も恐らく聞いたことがないだろうと思います。そうですよ。私達は特に大架であるか中架であるか、小架であるかをはっきり決めておりません。

 私や私の師である呉英華先生や馬岳梁先生は、小架太極拳でも大架太極拳のように練習出来ますし、大架でありながら小架のような機敏さを兼ねての修練法もあると説明しています。他に、その人その人のその時の太極勁の習得レベルによって一定の太極拳の変化も認めております。これは、人間が誰でも年を取っていくからですね。太極修練に時間をかければかけるほど、通常では太極勁的な進歩が目に見えてきます。そうなると骨盤や腰、背中の柔らかさが変化することによって太極拳自体をもっと展開して、もっと伸びやかに演出をしても、骨盤や肩が無闇に動いていなければ、太極拳の基礎が失わないことになります。私も時々、呉式太極拳を大架太極拳のように修練するときもありますが、これはある程度の骨盤や膝の柔らかさがあっての結果でございます。言い換えれば、無理して、大架太極拳を演出しますと、結果的に動きが滞ります。

 もう一つ、大架太極拳は小架太極拳よりも膝のリスクが大きいです。私の教室では膝の怪我などを細心の注意を払っていても先日、とうとう一人の方が膝の違和感を訴え、休むようになりました。勿論、大架太極拳を皆様にさせたわけではなおですが、でも、結果的に人間の膝というものは怪我が付き物であって、今後の教学の中でもっと色々と心配りをして行かねばならぬことを今回が猛反省している自分です。

 そして、何より、大架太極拳は小架太極拳より疲れやすいです。少しでも御身を無理して大架を練習すると本来の養生術であるべきの太極拳なのに御身の負荷になってしまうこともありうる為、くれぐれも無理のないように、ご自分の身体状況にあった太極拳を練習しましょう。

 心より皆様を応援しています。

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