旧 太極拳よもやま話 未分類

「禅問答」と似たようで違う「問答」

2014年2月13日

問答」は太極拳用語です。仏教の禅問答とかなり似ていて相違点もあります。宋遠橋十七世直伝「太極基礎」では、このように記しています。「我有所问,彼有所答。一问一答,则生动静。既有动静,虚实分明。在推手则以意探之,以劲问之,俟其答复,再听其虚实。若问而不答,则可进而击之。若有所答,则须听其动静之缓急,及进退之方向,始能辨其虚实也。」これは私が「よもやま話し」を書き始めの時も一度言及しておりますが、太極勁に対する一人の人間の感じ方は毎日のように違う為、今日になっても「問答」に対してどのように感じているのかを取り敢えず書いてしまい、そしてかつての感想文を読むことで自分の太極勁にたいする理解がどれほど深めたのかがわかります。そして、これに似ていますが、私の研究会では、ある程度の人間関係が出来た上で、一人が太極拳をやっているところでは他の方にもチェックさせます。そして、今のこのお友達の太極拳がどのように見えたのか、不足するところはどこですかと必ず伺います。私は現在の答えと半年後の同じ人物の答えを比べて、この方の太極勁に対する理解を把握するようにしております。では、本日の「問答」を私なりに訳してみます。
 私が相手に手を出せば、相手は必ずなんだかの処置で抵抗します。手出しと抵抗はの間に速さの差が生じます。すべての手出しと抵抗にからなず速さの差があって、しかも、重心の取り方も違ってきます。推手の時には特に「意」で探ったり、勁で手出しすることをお勧めします。そして相手が動き出すのを待ちます。もしも、合理的な手出しに手出しに対して無反応ならばこの手出しをこのまま進めれば勝ちますが、もしも反応があった場合は相手の動きの緩急、前後左右の方向性をしっかりと把握し、相手の重心を常にコントロール出来るようにしましょう。と。
 実際に今日の私でしたらこのようなレベルしかありません。これ以上の答えを求めるのでしたら、実際に私と推手をして、実際にこのような問答をもう少し詳しくお答え出来ると信じております。実際、太極拳を用いた時の形と言うと殆ど、推手になってしまいますね。自分も実際に公園で連盟の太極散打を見たことがあり、推手の研究がされていないことがなんとなくわかります。でも、これはこれで五輪種目として世界進出で頑張っているわけですので、私はこれも立派だと思います。話しが違いますが、太極拳で本気で戦って見たければ、この「問答」がすべてです。これはいかにも古典哲学的で少しの合理的な動きや内勁で相手の出方を誘い出して、コントロールするのですね。かなり面倒臭いやり方ではありますが、これも仕方がないです。何故かというと、太極拳はいつも「弱者」と言う立場の人間の為に設定していますね。だから面倒臭い技を練習するのですよ。でも、高級段階になると一瞬にして相手のすべての技や動きを封じてしまうことも可能ですが、少なくとも今日の私はまだ、このような凄技を身に付いていません。太極拳で何とか万人と戦えるということになると毎日の修練は欠かせませんね。勿論、世のどの武道も日々の訓練が欠かせませんが、太極拳はまた特にこのように問いかけたり、誘い出したり、相手の出方を瞬時に把握したりしなければ、どうも高級段階の太極勁とは言えないようですので、本当に太極拳を修練していると一人の人間の余暇が殆ど費やされてしまいますね。私もこのようなことを感じた途端に太極拳をやめたくなりますが、でも、何故かいつものように老後の投資としてと考えるとどこかで研究し続けていく勇気が湧いてきます。
 太極拳が考えている「問答」は戦う手段の一つです。でも、平和時代であり、無差別殺人さえなければ一般的には実戦の道はあまりないです。私の研究会にはプロの方々もいれば、ごく一般のかたも一緒に練習している為、基本的に横にしてしまうことはありません。そして、自分自身は当然のように「問答」を皆様に実演しており、およそ相手の重心をコントロール出来た段階で自分から引きますね。一人ひとりの安全は言う迄もなく、自分の面子を捨てなければ自分の太極勁も進歩出来ないことから、最小限の力で相手様と推手すべきだと感じております。そして、学生の方に色々な探りが感じるようにして推手を教えて参ります。

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