旧 太極拳よもやま話

推手テクニックの確執

2013年10月14日

太極推手になると昨今、誰もがテクニックのこと思い出しますが、一般的に太極推手といったら四正推手のことでまるめてしまいますが、推手の中では実に多くの学問があることは最近になって数人の伝統太極拳研究者が日本に上陸してから、日本人の中で少しずつ理解出来るようになってきました。
 近頃になって、当呉式太極拳が少々人気が上がっていることもおそらく、呉式太極十三式推手のことではないでしょうか。但し、これを十三種類のテクニックだと勘違いしている方も多いにいるようです。このような傾向は日本のみならず、太極拳の発祥の地である中国も長い間による封建的師弟関係による伝統文化喪失や圧制による人間国宝への迫害により、太極拳実力の全面的低下の元で太極推手のテクニック化や力闘化はもはや、免れない事実でありますね。
 当然、法治国家の元で太極推手というものは基本的怪我をしてもされても困るものですが、力闘型推手の方と推手をすることは実に疲れます。何故かというと力がありますね。そして、一瞬の硬さや隙をついで何とか「太極勁」で浮かせようとする時には必ず、大きい力で抵抗します。そして、こちらが相手の重心を浮かせて、少しの優勢をした時点で手を引くと必ず後から攻めてきます。一番困るのが半歩や一方下がらせたところで直ぐに素早く攻めあがってくることです。当然のようにこのような方々は「太極勁」の上達はなかなか無理のようですが、このような力闘型の推手はあくまでも相対的でもっと力のある人間に遭ったら、当然にように力負けしてしまいますね。
 太極拳創始者である張三豊師が太極推手についてこのように述べています。「想推用意終何在、延年益寿不老春」、太極推手はただの格闘技でもないですね。それぞれの体を柔らかくし、体の老化を阻止し一人ひとりの健康状態を常に良い方向へと導く手段の一つです。太極推手での格闘的意味合いはあくまでも、少ない力で力持ちの相手より身を守ることに過ぎません。そして、太極拳というものは自分から相手を攻め立てることも本来なら無いはずですね。一般的に相手も守ることしかしないのならば、自分からはまず十三勢の中の「粘」を使うべきですが、これは「太極勁」の中でもっとも習得し難い「勁」であり、巨体の持ち主が守る一方の体勢から「一抚一提」という勁の使い方で相手の気を上がらせ、ついでに巨体を持ちあげることですが、民族個性的にだと大和民族はどちらというと守りに徹する方が多く、「粘勁」を使うことは実に難しいですね。
 でも、逆にこれはこの国に於いて「粘勁」を修練する絶好の条件が揃っているとも言えます。
 これも道教哲学的な発想でございます。世には絶対的な不利や不運がありません。やりづらい力闘型推手は「太極勁」の修練にとってはこれ以上ない良い環境です。
 基本拳を絶えず修練すれば、常に軽い推手を心がけしていれば、「太極勁」が自然と身に付くことでありましょう。本物の「太極勁」は時間がかかるからですね。そして、「太極勁」がわかる人間は一握りであることは最近、切に感じております。

それもそうですが、速効性のない武道ですので、我慢強く修練し続ける人間かつ正しい修練法でないと、所謂「太極勁」はなかなか身に付きませんので、「石の上にも3年」ではなく、「石の上にも30年、50年・・・」のつもりでないとなかなか成功しないと思いますね。そして、浮世の誘惑を少し犠牲出来る者が「太極勁」に於いて得するかのしれません。

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