何故、近代社会で太極拳がこれ程流行っているのか、私は本当に不思議に思っています。数日前、妻と久しぶりに東京駅へ出かけていたら、皇居前に多くの方々が走っているのを目の当たりにしました。黒人の方、本当に格好いい走りをしていますね。身近に通った時にかなり激しい息遣いを感じていました。人間は本当に極限迄、自分の体を虐める生物ですね!私も学生の時に3回ほどフルマラソンを経験したことがあります。一番良い成績はギリギリ6時間を切ったのでした。35キロを過ぎたところは殆ど呼吸が出来ない程苦しくて、両足がまるで自分の体に付いていない状態でした。辞めようと何回も何回も思ったのですが、でも、その時辞めると本当に死んでしまうような暗示にかけられ、しかも誰がその暗示をかけたのか全然わかりませんでした。3回ともスタジオに入ってからは周りの人に出来るだけの大声で「呼吸が出来ない」と叫んでいました。結局、3回ともゴール後直様に酸素吸引をさせて頂いたのですが、3回とも私は暫く記憶がありませんでした。その後、私はランニング恐怖症になったのです。もう走るのを恐くなりました。
近代医学者の研究では、哺乳類の心臓というものは限られている回数しか跳ばないではないかというふうに研究を進めているらしいですが、こうなるとなるべく心臓というものをセーブしたほうがよいではないかと私は勝手に想像してしまいます。このテーマを研究している医学者達は何故、哺乳類の動物は寿命が短いのかをいろいろ分析しているようです。話しによると動きが遅くて脈拍が遅い動物は皆、長生きするようです。例えば、亀さんとか・・・。そして、深海に生息している不老不死の生物がいますね。その名は「べにクラゲ」といいます。単細胞軟体動物のようですが、心臓があるみたいですね。脈拍はかなり遅いようです。でも、「べ二クラゲ」は心臓以外に複雑な臓器や神経システムがないそうです。やはり単純な生物ほど長生きするのでしょうかね。ちなみに、「ベニクラゲ」は5000年生きた記録もあるそうです…。なんか恐ろしい話しですね。
太極拳の話しになりますが、正しい太極拳を修練し中級レベルになると、一般的に長拳の練習時間である40分程に間に脈拍数がもの凄く遅くなり、呼吸もかなり細くなります。上級者レベルのなると呼吸しているかどうかは自分もはっきり分からない時が殆どです…。その後の話しですが、あまり信じないかも知れないですが、目の前には真っ白になり、自分の臓器が何となく見えて来ます。でも、目以外の何かで見たのが確かです。(筆者は人生で二回程、朦朧としたはっきりしないこのような経験がありました)これがいいのかを馬岳梁師に相談したことがありますが、「結果としては悪くないが、今後、太極拳を修練する時にこのような体験を絶対に意識するな」と厳しく警告されました。
これは本当の意味での四方山話になりますね。もしもこのように心臓の動きをセーブしたら、駆け足も出来ないし、お酒なんか絶対に無理だし、日本語にはきっと「鼓動」という綺麗な言葉が無くなります。 ( >Д<;)一生懸命、お仕事も出来なくなりますΣ(´∀`;)。
まあ!太極拳は太極拳、楽しくてロマンチックな人生はたった一度の人生ですから、「ベニクラゲ」のような生物になったら5000年間生きても人間がきっと楽しくないはずです。
スポーツとしての太極拳、健康法としての太極拳・・・。
2013年4月17日