旧 太極拳よもやま話 未分類

太極勁の不思議

2013年8月11日

 私の四方山でもう既に太極勁という言葉を何度も繰り返しておりますが、最近、わたくしと推手をしている方々(プロアマ問わず)がわたくしの体に何か変なことでも起きているのではないかというふうに疑い始めています。推手の時に手が遠く感じるとか体が伸びているとか、内臓が動いているとか吸い込まれているとか色々ですが、これも皆様が推手や太極拳の練習結果だと感じております。勿論、何もやっていない方に太極勁を使って推手をしてもよいですが、危険との隣り合わせなので一般的にはどなたに対してもある程度の太極拳と四正推手が把握し、少しでも太極拳を理解してからはじめて太極勁を用いて推手をいたします。勿論、プロの方で推手の実績がある方に対しては別ですが、それでも、かなり変化が激しい太極勁ですので、どなたに対しても怪我の無い様最大限に心配りをしています。
 わたくしの太極勁はまだ先人達と比べられない程に未熟ですが、生涯をかけて完成に一歩でも近づけられたら嬉しいです。これははっきり言って毎日の太極拳練習にかかっていますね。
 太極勁は色々な形になります。それぞれの先人は独特な太極勁を習得していたようです。楊式太極拳創始者楊露蝉に太極拳を教えていた陳長興大師は「牌位先生」というニックネームがありました。牌位とはかつて写真がなく、亡くなった人の名前を小さい看板に書いて祭壇に飾る物のことです。一旦置いたら移動をしないのですが、陳長興大師はお正月に村で演劇を見る時にどんなに人に押されても微動ともしないらしいです。人間はどんなに足がしっかりしても人に押されたら動くものです。一人は無理でも5人10人でしたら無理ですね。陳大師は実際、10人が押しても動かなかったようです。現在の自分の太極勁観点から説明すると押してきた力を押した人間に返していることだと信じています。実際、呉式太極拳馬岳梁師が片足で4人が押しても動かなかったのですが、我々押した人間が逆に押し戻されていました・・・。
 楊式太極拳大師3代目の楊少候も太極勁の達人です。少し昔は楊式太極拳では推手ではなく、かなり長い太極拳のそれぞれを実戦で使っていく「打手」というものがメインでした。楊師の手と合わせた瞬間に飛ばされるのか重心を失うのか、しかもあまり力でやられたことではないと交流したことのある方が証言しています。大変残念ながら阿片に手を出してしまいあまり長生き出来ませんでした。楊大師が練習していた楊式太極拳小架255式や太極拳快架は現在練習している方は殆どいませんね。
 呉式太極拳開祖である呉鑑泉は「聖手」というニックネームがあります。彼は道教伝統推手を世に広げた人間です。武道の種類を問わず彼と手を合わせた人間は立つことが中々難しいです。彼の推手は相手に逆らわず相手が自分で重心が失われていくことを誘導するだけだそうでした。彼のお腹を押したことのある人間の証言では、彼はまるでマジシャンでお腹の部分は何もない様子でした。私の解釈では彼はいかに体が柔らかいということですね。
 このような太極勁を生涯目指します。

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