「落花待掃」と「無根樹」" /> 「落花待掃」と「無根樹」 | 呉式太極拳研究会

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「落花待掃」と「無根樹」

2014年2月25日

 今年に入ってから当研究会で呉式太極剣の一路剣である乾坤剣を学生の皆様に教え始めていますが、かなり苦難な船出になりましたね。呉式太極拳は何故こんなに難しいでしょうかと質問される方もいれば、筋肉痛でレッスンを休む方も何人かいました。この宋遠橋十七世直伝の乾坤剣ですが、伝説によると道教張三豊先生によるものであり、中には随所難しい動きや普段では有り得ない剣の持ち方などもします。そして、剣を剣としてではなく、筆だったり、箒だったり、時には樵さんの道具だったりもします。本日は学生の一人に「落花待扫」を教えたところ、どうもこの独特な動きを習得するにはかなりの時間がかかりそうで、わたくしは一瞬太極拳の慢架をもう少し修練を重ねてからでも良かったかなと後悔しはじめたのですが、でも、本当に人間はいつ死ぬのかわからないから、呉式太極拳の色々なないようを早く日本で多くの人に修練されればよいと感じた私はいつものように出来るだけ早めに色々と教えて於いて、後で時間をかけてゆっくり修正していくことでよいでしょう。万が一、わたくしが早死してしまった時も、せめて皆様が自分でも少しずつ時間をかけて改善していけるはずです。なにしろ、私の家の呉式太極拳は中国具術界隈で数十年間に渡り中国語で「博大精深」と言う四字熟語で比喩されてきており、現在二十の若者でも七十歳迄は学ぶものがあり、独特な太極勁と言うものに関しては実に数十年間かかっても成功しない人間が殆どですので、私は教えるものが無くなると言う心配よりも、皆様が間に合わないとのことがずっと懸念をしておりますね。
 話しは「落花待扫」に戻りますが、道教では自然界のすべての出来事が自分自身と言う小さな宇宙を持ち、そして一定の規律で循環をして時空を過ぎ越していきます。一本の木が春になって花を咲かせて、そしてただ花を咲かせる為に木はまずないと思いますね。勿論、その目的は種を残すことです。種はやがて木から落ちて土へ、そしてと同時に花も土へと、何と言う自然の循環規律でありましょう。ただ、自然の悪戯で風が花を飛ばしてしまいますね。綺麗な花弁は元々、土に落ちて種が足りない肥しとなる訳ですが、飛ばされたら種の肥しが足りなくなってしまい、小さな苗が弱くなってしまうと言う道教が自然界の規律を道教的に捉えて解釈して参りました。そして、「落花待扫」とは元々、風で飛ばされた花弁を木の元へ運んでいくことをかつての道士さんが毎日の意識の糾明をしながら行われていた一つの作業です。勿論、この作業はすべて、道教的な動きによるものであり、太極拳創始者は結果的に一本の箒の道的な動きに感動され、剣にも同じ動作を入れています。勿論、「落花待扫」と言う剣の中のたったの一式ですが、このような深い道教思想で包まれていることは今日迄誰が想像したものでありましょうか。
 そして、話しを少し飛ばして、太極拳創始者の張三豊師が書かれていた「無根樹」の詩を思い出してしまいました。道教では人間の体のことを一本に木のように例えていて、人間の誠の霊を木の花に例えられています。しかし、木はどれも根っこがあり生き続けて花を咲かせますが、人間は根っこがなく、命もよくわからないものです。人間は限られている真霊の気の動きで生きていると道教がこう信じています。真霊の気が旺盛なら人間も元気ですが、真霊の気が減れば人間は死んでいきます。そして、張三豊の二十四章「無根樹」の原点とされているには「幽」という境地です。幽とは、物事と出来事の深さと虚無状態を指します。勿論のように道教は何事もその深さを追求するように勧めていましたね。そして、虚無ですが幻くてはっきりした存在感がないとのことになります。これは当呉式太極拳が提唱している三文字の「虚、静、柔」にかなり重なっていることを受け止めておきたいですね。呉式太極拳は道教と切っても切れない色々なご縁があったことは様々な文献にを研究することによって解明していくことも太極修練の一貫です。本当に時間がないですね。
 張三豊の「無根樹」の最終章である二十四章はこう記されています。
 無根樹,花正無,無相無形難畫圖。無名姓,卻聽呼,擒入中間造化爐。運起周天三昧火,煉真空返太無。謁仙都,受天符,才是男兒大丈夫。
 これは、道教の宗教的な色々な説明が入っていますが、人間の体的で言うと人間は僅かの真霊の気で生きています。元々、人体は虚と無の状態ですよ、勿論、花を咲かせることも中々無理です。これは確かに道教の悲観的な考え方でありますね。太極拳も虚と無の境地で修練すれば人体本来の状態に一番近いから一番無理がないでしょう。決して世界で一番強い太極勁が習得出来るなどの結果は出ません。

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