今朝のテレビで国際柔道ルールが改定されるとのニュースがありました。国技の柔道はここまで世界的に重視されているとは日本だからの実績ですね。オリンピックで定着し柔道の精神の元でいろいろな改定がなされてきました。日本人有利、欧州人有利はそれぞれありますが、国技があれ程世界的に注目されていることが日本の誇りですね。
私の本業である太極拳に戻ると太極推手は中国国内に於いて試合が御座います。最近は太極拳による自由格闘競技も行われているが、まだK-1などに参加している選手は現れていません。太極拳は道教の教えで、「無為無争」の基本精神を守ってきましたが、現在は中国を含む多くの国は健康の為との論調を前面に出しており、推手など本来太極拳理論に沿った健康を守りながらの護身術を修練しない口実にしています。中国と言う国は人民共和国になってからは文化遺産を粗末にしてきました。
民間太極拳巨匠が太極拳や推手の公開授業が禁じられ、勝手に伝統太極拳を端折り、改ざんしたものを世に送り出しました。しかも、人民中国が作った太極拳は世界中に浸透しています。でも、世界中の多くの人々が伝統太極拳の良さを求めて中国伝統太極拳の門を叩いて参りました。日本人の方も伝統太極拳の分野で頑張っている方が大勢います。 いつか人民中国も伝統太極拳や他の伝統武道を文化遺産として保護し、世界中に本物の太極拳をアピールすることを心から願っています。そして、あくまでも個人的な予想ですが、現在の競技太極拳があまりにも伝統太極拳から離れており、柔道みたいに一つの伝統競技としての説得力が乏しく、オリンピックの正式競技として採用されていないではないでしょうか。北京オリンピックでは採用されましたが、正式競技ではないですね。
そして、中国の学者の研究不足もかなり目立ちます。現在も一般的の体育大学では太極拳が約300年の歴史だとの言い方が一般的ですが、実際のところは少なくとも中国唐の時代から太極拳の記録が残されています。これも世界進出の大きいな足枷になっているのではないでしょうか。
日本という国、本当に羨ましく感じています。
呉式太極拳研究会師範 沈 剛 http://www.geocities.jp/goshikitaikyokuken/
国際柔道ルール改定に有感
2012年12月16日