世間一般的では太極勁といったらダイナミックに人を押したり、引っ張ったりすることだと思われる人が多いですが、実際のところはかなり細かい勁が殆どです。本日は学生の皆様にこのような細かさを具体的に説明し重点的に履勁の話しをしております。履は人の手を引っ張る動作との誤解がかなり深いようですね。本当の履勁とは道教太極拳の解釈では相手の動きに暫くの間に従っていて、わずかな連動作用で相手の動きを本来の軌道を方向を微妙に変えて上げることです。道教太極拳の考えでは相手に何の動きも見せなければ、相手もその僅かな誘導を感じないのであろうとのことです。相手は誘導されて制御される迄、どこでどの時点で捉えたのかははっきりわからないことです。
勿論、もっとも上級の太極勁になると、触った一瞬で僅かな履勁を使って相手様の軌道を変えるだけではなく、一瞬にして相手を違う方向へ向けさせることも可能ですが、相手様との手と手の密度が高ければ、何でも簡単にできていまいます。従って密度を上げるには体全体の軟らかさが必要です。
細かい太極勁
2014年3月18日