旧 太極拳よもやま話 未分類

小説作家とドラマ監督

2013年10月1日

 本日の写真の人物は、もう紹介する必要がないでしょうね。特に呉式太極拳の「お弟子さん」の皆様、同門ですよ。呉公藻の弟子である金庸です。彼は呉式太極拳の弟子よりも中国武侠小説第一人者の呼び声が高いです。私の父が呉式太極拳と半年位の縁しかない為、家元のことがよくわからないのですが、当時、中国で金庸武侠小説が一大ブームを起こした頃に色々と読んだ感想では、金庸氏は何か功夫をやっているはずだとのコメントがいまだに記憶に残っております。
 それもそのはずです。金庸小説では穴の話し、経絡の話し、「内勁」の話し、詳しい太極拳の話し・・・。どう見ても金氏は内功修練者に違いがありません。私は金氏が呉式太極拳同門であることを知ったのは20才の頃に故郷である上海への所払いが解けた後、本格的に毎日のように呉式太極拳を学び始める時のことであります。きっかけは金氏が呉公藻の著書で「太極拳講義」の後書きが金庸氏の執筆を知り、師呉英華に問い合わせたところで同門であることが知らされました。
 そもそも、世の中には小説が大分、長い歴史の中で発展し続けれ来ましたが、テレビドラマはまだ数十年の歴史しかないようです。日本でも作家としての石原慎太郎氏が著作である「弟よ」という小説について、原作が面白いよとテレビインタビューに答えたことの記憶があります。小説作家の内面的世界観や本人の文書でないと現せない心の深層世界は小説しかないと思います。テレビドラマだっと他人がこの小説を元にして脚本を作り、どう考えても小説本来が伝えたかったことが忠実に伝えられるとはいかないでしょう。
 金庸小説だっと、もう一つのハードルが存在しますね。これが彼が呉式太極拳修練者であることです。本人しか分からない内面世界と功夫の独特な心得、それに例えば金庸小説を更に外国語の翻訳すると、一般的には三つの大きなハードルが存在するのでしょうね。金庸小説の日本語翻訳版を立ち読みで少々、拝読したがまるで違う作家が書いた小説みたいですね。大学の時は哲学専攻で、いろいろな参考文献を原文でないと厳しい哲学の意味が伝わらない為、発音が難しいから離せなくても、ギリシャ語やドイツ語を読むだけでも何とか齧っていたように、多くの著書は本来の原文でないと伝わり難いものが沢山、潜んでいることは確かでありましょう。
 まして、中国のドラマという世界ですが、原作との差があまりにも激しい過ぎることで有名です。ドラマ監督の都合でもう一つの新しい物語が出来上がるのも全然、珍しくありません。以前もずっと申し上げていた通り、中華民族は改革好きな民族です。これはありとあらゆる分野で日常茶飯事であり、近年では改革開放により自由化も進み、拝金主義がもたらす改革とはおよそ、多くの人が喜んでくれる商品を最優先的に開発することになります。
 同じテレビドラマでも何回も取り直すことで、その時の俳優で売り込むにが一般的ですが、新中国人的な考えだっと、かつてと同じ流れでは視聴率が取れない為、違う物語という形で新たな高感度を勝ち取るのです。新中国人の一般的な考え方でしょうかね。
 

 ちなみに、本題と外れてしまうが、日本人だっと一般的には安全第一で、最初に学んだものが本物であろうとの国民性が25年間の在日生活で個人的には感じております。でも、例えば中国功夫が本格的に日本大地に這い込んだことで、人々の頭に混乱を引き起こすこともないとは言えないですね。毎日のように違う功夫をやっている方はどれにするのか迷っていることの可能性が大です。
 これは例えば、子供なら私も理解します。将来の方向性がまだ決まっていないから親としてはとにかく、取り合えずなんでもやらせてみて、最大限に発揮出来る分野を一つ決めていく作戦です。大人で沢山の趣味を持つことは、場合によって日々の働きと関係ないストレスが生じてしまうこともありうるので注意しましょう。

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