この話題はかなり普通のようですが、近代の太極拳修練者は皆、出来る限りこのような話題を避けたいのも事実です。それもそうですね。共産党が中国大地を支配してからはまず最初の十年間は土地改革で更に自然災害に遭い、次に文化革命が十年です。20年近くの迫害や文化破壊の後に中国の伝統文化は木っ端微塵ですよ。今日になって太極推手を論じても本当は無意味なことですが、本系呉式太極拳を日本で広げていく為に、常にFACEBOOK「いいね」ゼロを覚悟していなければ、「四方山」を続けて来ませんでしたね。
太極推手はその文字通り、太極拳の基本拳と似たような動きで二人の人間の間で行われる攻防になりますが、実際、太極拳が弱者の拳法ということはどの流派もどの連盟も否定しないと思います。ならば、力任せでの相撲のような推手は有り得ないでしょう!逆説から探ってみるとこのようなことになりますが、やっている太極拳自体が硬くて勘違いだらけで少林拳のつもりで太極拳をやっているとか…。兎に角色々な可能性がありますね。
私はお陰様で現在、東京都内の太極拳先生の数名を個人で指導しておりますが、最初は皆様の殆どが力任せで一生懸命押したり押されたりしていました。暫くわたくしと推手の練習をしていると皆が自ずと手が軽くなってきましたね。わたくしの軽さがある程度認められたとのことです。最初は皆さんにもっと軽くしてというと誰もが不思議そうなお顔で私を見つめますね。中には貴方気が確かなのかとか、他所の先生は皆力を入れて相手の急な攻撃を常に守るとか…。兎に角色々な説があります。わたくしと暫く推手すると今のところ皆様の手が軽くなって来ましたね。
現在、教えている初心者の方ですが、皆さんが頭が良くて、一般的な太極四正推手なんか2~3時間で何とか習得してくださっています。勿論、推手どころか太極拳に於いても本当に門外漢です。でも、本当に素直な皆様です。込み上げてくる物がありますね。
勿論、横綱白鵬さんが突っ込んで来たら私も固くなるし、飛ばされてしまいそうですが、横綱がもしも一瞬、骨盤を動かしてしまったら速業で相手の死角を攻めればまったく可能性がない訳でもありません。1980年代の初頭に同門の者が10両力士と交流し勝敗つかなかったようですが、陳式太極拳四天王の陳小旺師と曙も交流したことがあり、曙さんが手を地面に着いてしまったようですね。(you tube動画)私がここでどの武道が強いのを論じているわけではなく、少ない力で力に満ちている方と合理的かつ理性的な勝負をするのが太極推手であって、最初に少ない力で推手をしていて、上手くいかなくても構わないが、軽い推手を続けることに専念しましょう。理由は簡単ですね。弱い者が強い者に勝てることになると独特な太極勁を身につけなければなりません。これは時間がかかることですね。
兎に角、太極拳その物が時間がかかりますね。即効性の武道ではありません。
太極推手
2013年7月14日