これは自分が20数年前の太極拳写真と最近の太極拳写真を比べてわかったことです。当たり前ですね。20数年の月日が経ったところで人は誰でも体が硬くなりますし。体型も大きく変わります。そして、骨も筋も硬くなります。太極拳の「下勢」などでは誰でも低く出来なくなります。そして、人体の中で常に爆弾を抱えている膝と言う物の寿命は一般人であっても、空手家であっても、太極拳巨匠であっても限られています。このような諸事情を考慮すると、年をとれば取る程太極拳や他の武道や武術、スポーツなどを練習する時に若い時から慣れてきたスタイルを年齢によって、変えなければならないです。
そして、太極拳教室の先生が一週間前と一週間後の説明が違う時もありますが、これも色々考えられますね。先生が年をとりまして数日前に言ったことが覚えていなくて、違うことを口にする時はあると思います。もう一つの可能性は先生ご自身も更に大先生のところで勉強されていて、毎日のように大先生に色々と言われていることもあります。まあ、貴方様は毎日のように大先生より色々直されていることでございますね。
かつての封建社会的な中国では師匠が言うことがすべてで色々な質問は中々聞けなかった時期がありました。自分の師匠はそうではなく、どんな質問も聞けていましたね。自分も今日では人様に太極拳を教えるようになり、出来る限りの質問を受けております。そして、その時点その時点での説明ですが、違うレベルの方に対する説明も違いますし、一人の方に対しても違うレベルになった時や、違う練習内容の時の太極拳理論解釈も若干違ってきます。
そして、太極勁芸術は漸進と修正の連続であり、本物の太極修練者は毎日のように違う体の感覚があっても当然です。特に折畳勁や鼓蕩勁などのことの詳細を聞かれてもかなり説明しづらいことであり、毎日の沢山の練習と正しい修練法の元でしか成し遂げないものであります。
太極拳教室も大学と専門学校と同じく、いつものように色々な新しい内容が出てきます。私個人としては、皆様がどこの太極拳教室へ行ってもノートと筆記用具を常備してください。そして、先生が二ヶ月前と違う解釈をした時はまず、ご自分で分析してください。それでも、分からなければ先生に聞くべきです。その時の先生は一般的にまずは弟子や学生の成長を感じると思います。次に何故違う解釈をしたのかきっと答えてくれますね。
もう一つ全く違う話しですが、いくつの流派では、初心者の時にはまず太極拳の全体の流れを覚えて貰い、次に少しずつ年数を掛けてゆっくり修正していきます。当呉式太極拳もこのように教えている先生が多いです。こうなると、皆様がノートと筆記用具を携帯するかしないかで大分違ってきますね。