このような話題をすること自体がいつも危険と隣り合わせであることは誰でも分かるでしょうね。私がブログで太極拳家元という表現をしてしまったのですが、それは家元ではない皆様からこのような文書に対する抵抗があることは当たり前です。自分もその後は大反省し、何だかの言葉で家元という表現に代るものを探し続けております。今日に至る迄適当な表現はまだ見つけておらず、もう直ぐ日本人の方が呉式太極拳第六代目弟子が誕生する為私は結構忙しく、もう直ぐ上海へ渡航しなければなりませんが、帰ってきたら自分の日本語の先生や太極拳を教えている方で日本語を専攻されている大学院在学中の方、または親友の横浜天宝堂の担当者の方に頭を下げ、教わる所存でございます。表現って本当に難しいことですね。
そして、本日はまた、プロとアマについて感想を述べたいですが、適切な表現であることを祈りながら、ありったけの日本語で上手く説明出来れば幸いに存じます。
プロとアマはどこの世界にも存在します。太極拳の世界も例外ではないですね。簡単に私の呉式太極拳研究会を説明するとプロの方もアマの方も現在、研究会で勉強しております。所謂アマの方々はわたくしは別名で一般の方というふうに申していますが、これは少しでも自分がスケジュールが回らない時に、数名の面子の要らないプロを一般の方に混ぜ入れ、共に勉強する際に初心者の方々がプロに接し易いことの工夫だと考えています。お陰様で現在は私の研究会でプロも一般もなく、皆和気藹々で一緒に太極拳や推手などを勉強しております。面子を大切にする方の殆どは個人レッスンですが、いつかこのような面子を捨ててくださると私のスケジュールも大分助かりますね。
ところで、私のところではプロと一般(アマ)の実力の差はどれ程かと言われると、驚くべきことにあまり差がありません。私の研究会で勉強しているプロの方というと、都内の太極拳の先生や制定太極拳選手、いづれ太極拳教室の経営を目指している長期間太極拳修練者や各流派の「家元」の弟子、それに中華武術の高段者もいます。これで一般の方と一緒に勉強したくないことは仕方がないと言ったら確かに仕方がないですね・・・。そして一般の方というと、私が今年の年頭に公募しはじめてからは実に多くの方が見えており、会社経営者から一般の学生迄、会社員もいれば年金生活者もいます。当然、今のところはプロの学生さんほどの実力はないでしょうが、一般の皆様が実に一生懸命頑張っていますね。頭が下がりますよ・・・。そして数名の一般の方と一緒にやってもよい先生方は一つの共通点がございますね。彼らは自分のベースを初心者にしているみたいですよ。実を申し上げると私もいつもベースを初心者にしています。そして、太極拳の世界に於いては、自分自身を弱者の立場に置かない限り、弱者の武道である太極拳の「太極勁」を習得するには至難の業でありましょう。
最近、アマの方々も太極拳や推手の勉強が進み、呉式太極二十四槍を何とか覚えた方は三人もいますね。推手は難しく一生涯かかるものですが、一般の方々には私はプロと全く同じ教え方で保留無しでお教えしております。推手の基本に関しては「太極陰陽顛倒解」の元である「天也、性也、地也、命也、人也、虚灵也、神也。」を最優先にし、いつも軽い推手を皆様に教えています。自分も長い間で習得した「太極勁」で成るべく力を使わずに一般の方と推手の練習をしています。たまには最近、推手相手を軽く一歩を動かしてしまうこともありますが、いつも一般の方よりも小さい力しか使っていません。なぜかというと力尽くで勝つことは太極拳ではないからですよ。
一般に方々は実に謙遜でわたくしが支指示した通りに黙々と推手の練習をし、私の意向で数人の方はご家族にも「四正推手」を教え、現在は毎日のように家族と練習しているとか大いに盛り上がっています。いつかは私のところではアマとプロが逆転するかもしれないですよね。そうなるとわたしも嬉しいです。
私?私はプロ、アマ?私はね、アマでいたいですね。但し、プロだと宣言しないと誰も私のところに来ませんが・・・。