旧 太極拳よもやま話 未分類

呉鑑泉物語

2014年3月2日

 先代呉鑑泉氏は数多くの伝説を残していますが、最近では呉鑑泉の伝記のような「四方山」を書いて欲しいとのご要望があり、それに答えるべく私が呉英華師より伺ったことで、他流派に悪い影響が及ばない限りのことを前提にして、中国での著書に書かれている物語のいくつを訳してみたいと存じます。でも、私は呉鑑泉氏に直接お会いしていない為、本日のブログも検証できないことが本当に残念です。「四方山」ですので、どうぞ、お許しください。
 先代呉鑑泉は太極拳の達人であると同時に、乗馬のテクニックもかなり凄かったらしいです。
呉がまだ北京に滞在していた頃のある日、彼はいつものようにお昼の後に親友と一緒に当時の北京城の朝陽門の近くでお茶を飲んでいました。その隣は馬を売買していた商人がいて、何故かと一匹の馬が鉄の鎖で施錠されていました。呉はその原因を聞いたところで実は例の馬が馴染まなくて乗れないとのことでした。呉はすぐに馬商人にこの馬を離すようにお願いし自分がこのじゃじゃ馬を訓練すると自信満々でした。馬商人は「馬が逃げたら貴方が弁償することと、貴方が負傷したら当方と関係ないことを認めてくれれば訓練してもよい」との条件を呉に突きつけましたが、呉はそれを呑んで馬に乗り、背中の毛を掴み、鞭で一生懸命馬を叩きました。馬が急に立ったり、足で蹴ったりして、かなり暴れてしまい、当時の北京城の一周は20キロ程でしたが、馬が城を一周猛スピードで走っていた後に静まり返り、呉は訓練を成功したわけです。このような馬術はなかなか凄いですね。
 1915年、呉鑑泉氏が北京体育研究社の講師を務めていたころのことですが、米国有名力士が中華武術に交流をしたいとのご要望を受け、当時の研究社責任者である許禹生氏が呉鑑泉氏にお願いし交流を応じました。呉が「以柔克剛」の原理で何度も米国力士を倒しましたね。その米国力士は後に北京体育研究社で太極拳を学んでいたそうです。
 伝説によれば先代呉鑑泉の功夫は中国語で「登峰造極」のレベル迄に達していたそうです。勿論、当時の無法状態の中国では先代が不注意の時に不道徳で攻めることもかなり多かったようです。でも先代は何とか無地に解決したようですね。先代がある日自分の同門と一杯飲んだ後に同門の者が悪戯をして先代のお腹を叩いたのですが、大きなお腹に跳ね返られて何歩も下がっていたようでしたね。しかも、暫く吐き気をしていたとか・・・。違う日に呉の仲間が悪戯でひと握りの豆を呉のお腹に向かって放ったのです。結局、豆がかなり高く跳ね返られてしまい、回りの見物客は皆びっくりしましたね。当時の国民党高官である?權民誼さんが上海で呉式太極拳の道場を設立した時に、玄関にこのような文字を書かせていました。「神拳太?巽?危鉴泉,打破天下无敌手」 これでは災いが始まったのです。毎日のように挑戦者が現れていましたね。幸い、呉鑑泉氏が何とか勝ち続けていたようでした。
 1934年の秋、呉鑑泉氏が北京より中国湖南省へ参り、長男と次男、そして、その弟子である王潤生と何键が駅前で赤い絨毯を引いて歓迎していました。当然、多くの呉鑑泉を知らない人何かは皆不思議でしたね。1931年、湖南省の第一回国術チャンピョン唐徽典さんもその一人です。彼は自分の武道がかなり強いと思っていたからです。呉鑑泉は人と交流したりして戦ったりすることを極力避けていましたが、唐徽典さんはあらゆる方法で呉鑑泉を探し出し、とうとう、食事をしている呉鑑泉をつき止め交流を申し込んだ次第です。やむをえず手を交えたのですが、2~3分で邬家拳のトップ人物である唐徽典さんが横になり、両手が痙攣して使えなくなったらしいです。唐徽典さんはすぐに呉鑑泉に弟子入りの希望をされたのですが、流派間の矛盾を避ける為に呉鑑泉氏はそのご希望を断りました。そして、「どの武道も一生懸命練習すれば強くなるよ」と、唐徽典さんに話したのです。その後、唐徽典さんは人々に呉鑑泉についてこのように話し続けていましたね。「彼の全身は綿にように柔らかく、車輪のような回転、泉にような呼吸、人を触った時は電撃のようなパワーが来る・・・」
 まあ、私は呉鑑泉に会っていませんが、以上の話しはすべて二人の師匠と色々な本に書かれていることです。これが本当のことでしたら、自分の年齢を考えるともうこのような太極勁は無理のような気がします。でも、本当に練習あるのみですね。これから練習して寝ます・・・。
 

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