いつか、このテーマを書いてみたいとずっと前から考えていました。なかなか勇気が無くて長い間迷っていました。この話題ですが関わってくるものがあまりにも多く、実際にこの世に存在している様々な太極拳にも触れてしまうので、あまり楽な話題ではないし、一回だけの「四方山」では表し切れない程の文字数にもなります。
わたくしは師呉英華、馬岳梁と同じく、太極という一つの奇跡お信じて修練しております。長い間太極拳を修練することによって柔らかい体を手に入れ、様々な太極拳基本を守ってやれば体内の陰と陽のバランスがよくなり健康体であることも目指しております。勿論、「太極勁」で成り立つ実戦的武道も私の一つの目標です。
但し、社会一般的な方々は実に様々な目的で太極拳をやっていますし、国によっても考えが大分違うようです。中国の朝の公園で色々な年寄りが制定拳や扇をやっていて、その目的は主に時間つぶしに過ぎません。勿論、費用もかなり安い関係で多くの方々には人気があります。
逆に中国の中流以上の方々は色々な公園で各太極拳流派や内家拳流派の本系先生を探し求めてはそれに就いて練習をします。費用は制定拳や扇よりはいくらか高いですが、中国人の中流階級位だっと伝統は本物であることを信じ込んでいる人が殆どです。でも、本系の人間であっても千差万別で皆様のご期待を裏切ってしまう先生もかなり多いです。
シンガポールも太極拳はかなり流行っているようですが、太極拳は武道である意識が高く、大手企業や中華学校、病院など多くの企業が太極拳を進めています。しかも、裏社会まで太極拳が大人気で複数の伝統流派が修練されています。
ドイツでは太極拳を東洋の「道」として預われており、精神的強さと人体陰陽術を深く研究している方も多いようです。本呉式太極拳本系弟子の中にもドイツ人が数人います。彼らの研究は大変立派ですよ。この東洋人である私が恥ずかしい位です。
台湾も太極拳人口がかなり多いようですが、共産党と国民党が分かれた時に伝統太極拳本系の方々が殆ど中国大陸に残った為、現在の台湾式太極拳は大陸とまるで違う拳法のように差が激しいです。
でも、太極拳論を守って修練していけば、形が変わっても陰陽バランスや太極勁を手に入れることは不可能ではありません。これこそ、太極拳の哲学性でありますね。
残念ながら、私は今年の年頭迄、日本の太極拳界と殆ど接していない為、日本現在の太極拳を話す資格はないですね。たまには「四方山」読者の皆様からのご意見や投稿も歓迎しておりますので、是非とも日本太極拳の現状をお寄せ頂ければ幸いです。心より御願い申し上げます。
どなたでも構いませんので、投稿をお待ちしております。
何故太極拳をやるのですか。
2013年8月12日