勿論、これは太極拳を修練時のことですね。はっきり申し上げますと人間は地面の立っている間に常に不安定です。鶏は一つの特異機能を持っていて立ったまま寝られます。これは足関節に独特なロックがあり、倒れないそうですね。人間にはこのような足関節とは違い、立っている間は実は常にバランス調節をしていることは整形外科医による確認が取れています。と言うことで太極拳や他の武道も実はバランスとの戦いと言っても過言ではありません。人間は倒れていたら戦えませんよね。近頃の太極拳学習では何とかしっかりと立とうと皆様が努力していらっしゃいまして、多くの方は体重を足に載せることで重心を取っているらしいですね。この努力は武道だけではなく、多くのスポーツや運動も似たり寄ったりします。勿論、これは人間の本能の一つで、例え太極拳修練の中で誤解を生じても特に非議は出来ないです。太極拳自体がかなり色々な面で普段の常識を覆ししているからですね。
伝説によると、太極拳創始者である張三豊先生が当時、太極拳の全身である十三勢拳のことで考え込んでいて、この独特な拳法の重心を日本国にもお子様が遊ぶ時のコマに例えています。コマは先っぽが本当に一点ですね。これだけでも高速に回っていることで倒れませんが、でも、太極拳をやっている人間はこの逆さの三角形では中々大変です。張三豊先生が考えている太極拳と言うものはこのようなたったの一点で重心をとるということになります。勿論、当流派は楊式太極拳よりも色々頂きましたが、宋遠橋十七世よりは道教太極拳の色々な基本理論を語られていますね。例えば、重心の中では「双重」と言う問題意識があります。謂わば、二つの重心を同時に有しないことですね。勿論、これも逆三角形のことでありましょう。そして、極端に言えば、足をべたっと床に体重をかけて踏み込むよりも、体の重力を少し感じていて、重心は踵だけでいいと言うステップになります。これならフラフラだろう!!!とそこの貴方はきっとそう言いますが、その通りですよ。私は師より教わっているのが太極拳は不安定の連続とのことです。そして、自分は40年近くこのようになるべく踵のみで踏み込んでいます。そして、呉式の特徴ですが、片足だけがしっかりと地面に踏み込んでいますよね・・・。これは、他の呉式太極拳教室もおそらく否定はしないでしょうね・・・。そして、その片足と言っても、踵だけですよ。馬歩はどうですか?これは面談でお願いします。
でも、日本の皆様が理解している呉式太極拳が何かの問題があるとは限らず、中国の人々も逆三角形のような重心の取り方が出来ていませんね。先般、私用で上海へ帰郷したところでかつて呉英華教室を開催していた公園で一人で練習をしていたら、多くの知らない人が私の呉式太極拳を不思議に見ていました。到頭、声かけられて「貴方の呉式は誰が教えたのでしょうか?」との質問でしたね。私はDVDを見て練習していると答えると、「貴方は揺れているね。貴方は上海の呉式ではないでしょう?北京でもない、香港でもない」と、延々と続きます。私はアルファー星雲の呉式と答えると皆が笑ってくれました。私はついでに彼らの先生は誰だとも伺ったのですが、その先生はかつての呉英華教室の時の私の学生の一人でしたね。もう既に他界しているとか・・・。悲しいものです。勿論、私は自分が誰であることを明かしませんでした。必要がないですね。でも、上海の皆様も一生懸命で体重を足に載せようとしていることは確かです。それもそうですがしっかりと立たないと重心が不安定ですね。推手の時なんかは特にそうでしょう。力で押し合うのですからね。すぐ近くで推手している二人の若者が揃って転んだのを見ていましたね・・・。足に体重を載せるのは当たり前になってきました。
でも、本当は違いますね。体の重力を感じていればいいです。そして、いつか、瞼の重さも感じるならば太極勁に近いですよね。勿論、自己暗示では体を壊しますよ。まずは体の色々な部分の筋から骨迄柔らかくならなければ、体全体の重さを感じることもそんなに簡単ではないですね。
ああ、言い過ぎた・・・。また、サービスし過ぎですね。まあ、いいか・・・。大晦日だし・・・
不安定のままでよい
2014年1月30日