太極拳は練習量?と言われていますが、私は他の武道も同様だと思っています。そして太極拳も他の武道も集中を要求されますが、特に太極拳のような静かにゆっくり動くものが雑念が付き物ですね。昨日は若い方が私のところに太極拳を学びに来て、大変珍しいことが起こりました。その若い方は寝不足のおかげで太極拳をやっている際に眠くなり、うとうとし始めたのでした。私はこれを本音で褒めたいと思います。太極拳を修練する時には夢心地のような状態が一番理想に近いです。
思い起こせば、楊式太極拳創始者の楊露蝉師が陳家溝で太極拳を盗んだ時、昼は言語障害を装い家事を一生懸命こなし、深夜になって皆が寝ている間昼間盗んだ太極拳を修練していたそうですが、当然、殆ど寝ていなかったでしょうね。深夜で太極拳を修練する試みは私もしたことがありますが、周りが本当に静かで落ち着きますが、公園の街灯が消えて回りは真っ黒だった為足を蹴り上げる時は体が何故かかなり揺れていました。楊露蝉師の時代では電気がなく、私と同じく人間である以上、深夜での太極拳修練はかなり大変であることはわかります。私は結局、深夜修練を数回やったところで辞めていましたよ。
ところで人間の身体機能を見てみますと、年々落ちてきていることがわかります。科学の進歩で人間が脳と指先で生きている時代が来たらどうしようと恐れながら想像しています。もともと、字が汚い私ですが、この頃は字を書かない為漢字がかなり忘れていることで心配を隠せない自分がいます。
人間に機能を保つ為に社会ではいろいろなスポーツが生まれたようです。そしてスポーツと仕事は同じく体力を使うのですが、人間の脳は何故かスポーツを好み、仕事を拒否するようにしているようです。仕事は面白くないからでしょうかね。では、太極拳というものは仕事とは違うし、一般的なスポーツとも同類とは言えないことは異議がないと思いますが、人間の脳はどのようにそれを対処しているのでしょうか?歓迎?それとも拒否でしょうか?
答えは出るわけがありません。何故かと言うと人間の脳は千差万別で国民性も大きく関わってきます。
但し、太極拳という独特な総合的な運動ですか、それにしか特有の繊細さですべての人間の脳に合うことはないでしょう。
人間はいつの時代になっても自由を求める高級動物です。数十年間に渡って生きている間はやりたいことに専念したほうがよろしいです。
やっぱり太極拳の話し
2013年4月19日