太極拳や形意拳などの所謂内家拳では「内功」という言葉があります。日本語に違約すれば、「内なるパワー」が一番相応しいかも知れません。でも、内なるパワーとがどのようなものなのかは一言ではなかなか説明が出来ないですね。
例えば、誰もが若い時は綺麗な体の持ち主で、皮膚もスベスベと滑らかですし、型が平らで腰が細く胸は豊満でありますが、年をとると体の綺麗なラインは崩れ、筋肉も次第に弾力を失い、皮膚も次第に皺になっていきますし、体の柔らかさも少しずつ失っていきます。太極拳的、道教的な考えでは人間の体の中には一種のエネルギーのようなパワーがあります。(内功)次第に年と共に減っていくこととの言い伝えもあります。勿論、その人その人によって減る速度も違うようです。(生活が不摂生の人は早く減る)
太極拳や機構術などはそのエネルギーを一定の水準であることを保つことが出来ると道教では信じています。勿論、この為には毎日の努力が必要です。毎日の太極拳の練習はあまり楽しくないと感じる人もいます。そして。規則正しい生活も必要です。(現代社会ではこの点が最も難しいでしょう)アルコール、タバコ、栄養バランス、正しい性、社会的ストレス、環境汚染、新型病原菌が人体に対する脅威・・・。様々な生命と健康に害を与えるものがあまりにも多く、太極拳というものは決して近代の人々にどれ程の相乗効果があるのかは、その人の外来脅威に対する防衛本能と、社会全体がいかに一人ひとりに対して保護的な制度を取っているのかによります。
でも、いずれにせよ、太極拳は人間の体にはよいことばっかりです。出来る限りやっていけば体の中のエネルギーをある程度保つことは可能です。年を取っても若い頃の体に近い状態を保つこともまったく不可能ではないですが、努力が大事ですし、そして何よりも正しい太極拳をやって行きましょう。
今回は105歳迄生きていた太極拳大師呉図南師の写真を紹介いたします。