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金庸小説による人物像

2014年3月6日

 日本ではかなりの方々が金庸小説を読まれていることが最近になってしりましたが、というよりも最近になって私が自分の太極拳というものを解凍したばかりですので、日本の武術界隈の様々な事情は中々知ることが不可能でした。金庸小説が中国大陸で流行りはじめたのがかの改革開放の頃のことです。当時でははじめて香港や台湾の連ドラが大陸の各民放テレビ局で流され、絶大の人気でしたね。そして、色々なドラマを見てもついつい原作を読みたくなり、金庸小説は当時、各年齢層の人に間に根強い人気が続きました。今日では武侠小説を熱心に読む中国人がかなり減ったのようですが、自分の青春時代も太極拳をやっていながら金庸小説を読んでいました。金庸さんは先代呉公藻先生の元で呉式太極拳を学び、中国武術に関しては専門家同様と言っても過言ではないです。そして、わたくしが注目しているのは「九陰真経」ではなく、金庸小説の中の人物像ですね。様々な人間を見ていると金庸さんは人間学者でもあることお堅く信じて参りました。
 射雕英雄传の人物で欧陽峰という西毒として有名な武道家がいます。武道の達人なのにそれでも天下一の武道家になりたくてしょうがない人物像はどこかに頑張っている人々に凄く似ていることで個人的には結構好きなタイプですね。勿論、小説の人物は非常に残虐な人間で、かつ猛毒をも預うという独特なマイナス面から一般的には批判される対象になってしまいます。本当のところ、欧陽峰は近代人のお金の為なら何でもやるとか、金銭の為なら手段を選ばないなどの所謂近代競争社会になんとなく似ているような気がします。それもそうですね。金庸さんも現在、健在しており、このように様々な人間像を描く方ですので、当然のように若者との交流も大切ししている近代人の一人であることを私は想像致します。そして、西毒欧陽峰は気功を逆さに教えてあげた真面目な郭靖を信じてしまい、気功偏差を起こして自分が誰であることもわからなくなったかなりの近代病にかかってしまいますたね。近代社会では自分が誰であることをわからなくなる患者さんが世界のどの国にもいるし、本当の自分を探し求める為に瞑想をする宗教学者もかなりいます。太極拳修練者である私ですが、瞑想は致していませんが、毎日のように自分自身の意識の糾明を行っていることは事実です。自分を探すこととは少々違いますが、自分自身をある程度知ることの大切さは金庸さんや多くの人生の大先輩から学ばせて頂いております。
 そして、もう一人の面白い人物は「天龍八部」の中のチベット僧侶である鸠摩智になります。彼も武道大好き人間で少林寺に潜って様々な武術の資料を盗み読みしていましたね。そして、少し前になって自分やっと理解出来たのですが、鸠摩智はおそらく幼い頃よりチベット仏教の気功や内勁を習得しはじめたと思われますが、私も数十年をかけてなんだかの内勁を身に付いたようですが、太極勁と言うものが例え他の武道で使うことはかなり困難であることは最近になってわかったのです。それどころか例えば太極勁らしいもので何か重い荷物でも運ぼうつすると何故か何も役立たない様子でしたね。故郷上海へ帰郷すると必ず重量がオーバーする程、色々とカバンに入れてしまいますが、なんで自分がこれほど無力なのか本当に不思議ですね。このような疑問で私は外家拳の親友に聞いたところでは、あまり私と変わらないようです。自分もなかなか答えが出せない中で信頼出来る太極拳の先輩に伺ったところ、太極勁は太極拳で使う時にはじめて役立つものだとはっきり言われましたね。なるほどと思ったのですが、では、少林の内勁で南拳を修練することではいかがなものだろうかと、私は本当に不思議に更にこの問題も質問しましたが、同門の先輩はこう答えました。「世の中にすべての武道に共通する内勁があれば、それぞれの武術修練者がそれぞれ違う内勁を修練する苦労はしないだろう」と、なるほど納得しますね。
 そして、故馬岳梁師も私のこのようなことを教えてくれました。人間の体は脆く、同時に複数の違う内勁を修練するとどれも習得出来ない可能性が大です。ほぼ100%の確率で失敗するそうです。でも、この話しでは現在、出典らしいものは私も見つかっていませんので、確かな証拠というものはないですね。
 でも、西毒欧陽峰のことを思うと本当に悲しくなりますね。彼は様々な武術を勉強して、正しいものも間違っているものも・・・。最後に自分は誰であることでさえわからなくなりました。近代社会にも西毒欧陽峰が存在しているのでしょうか・・・。

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