旧 太極拳よもやま話 未分類

知機(機用を熟知)の説明

2012年12月21日

 先祖?危公藻師は太極拳講義という本を出版しましたが、その当時、人民中国の上海書店という出版社がたったの1.2元で販売していました。しかし、あの本は世界太極拳歴史の中でも文化遺産ほどの重宝であり、あれ程太極拳基本理論を詳しく説明している書物は他にないです。あの時代、文化遺産がいかに価値のないものか唖然としますね!私の日本人の友人なんか腹を抱えて笑っていました。
 あの本は中国語の中でも、一応古文方式で書かれており、私のような文化革命で義務教育を終えた人間がなかなか、読めませんね。現在はただかつて呉英華師と馬岳梁師が説明してくれた記憶と兄弟子達と常に研究してきたものに過ぎません。
 今回は知機について説明します。呉公藻太極拳講義の翻訳になります。
 太極理論の中でいう機は陰と陽がはっきり分かれていなくて、幻想的かつ意が漂うことです。先機という言い方もあり、これは音も匂いも、形も姿勢もないということです。この機というものを実践する時は具体的にこのようなことを気配りしましょう。動きを見せず、何かの姿勢を見せず、機を作る意を出さないことです。太極上級者は皆、この「機」というものを知り、太極的パワーを作り出せます。言わば、何もない状態で何かを作り出し、「機」に乗って動き出すとのことです。逆に初心者はその「機」というものを知らないし、太極的パワーも持っていません。先に「機」を把握する人は後に「機」を把握する人に勝り、「機」を知らない人は太極を習得していないことになります。これは太極道を悟る過程の3つの段階になります。我が門下生で推手をすれば自然に理解していくでしょう。各々にレベルは力比べする必要がありません。これは、囲碁と同じですが、碁の高段者はすべての石が意味を持ち、意向が遠くてスケールが大きいです。無意味な石を打たず、全ての石が繋がっています。このようなことでいつも優勢を保ち、勝負が早いうちに決まります。初心者は意向が浅く、心には形がなく、先手を得ないし、人にコントロールされて、追われて守ることで精一杯です。結果は負けです。推手も同じです。上級者は心も気も沈着冷静、穏やかな姿勢で応対するが、初心者は進められず、退けず、攻めも守りもぎこちがないです。結果的に言うと「機」を知るか知らないかの違いです。
 
 何だか大変難しい文書ですね!でも、武道としての太極拳は毎日、きちんと基本拳を練習し、お友達と推手を交わすようお勧めします。百歩引いて例え健康の為だけであっても、基本拳の他に基本推手の練習が必要です。どんな目的であれ、太極拳は基本拳と基本推手の両方を練習することではじめて成り立ちます。
 呉式太極拳研究会師範 沈 剛
http://www.geocities.jp/goshikitaikyokuken/

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