旧 太極拳よもやま話 未分類

幾度も鼓蕩を語る

2014年1月4日

 鼓蕩の勁で検索すると実に沢山の方々が言及していることがわかりました。内容を見てみるとなんとも言えないものですね。気が丹田に沈んでいれば「鼓蕩」とか、お腹が膨らんでいれば「鼓蕩」とか・・・。このひと握りの者しか習得出来ない難しくて最上級の太極勁があんなに簡単に語られていることは、今日の世界そのものを現せているに違いがありませんね。この心が鈍く、練習もかなり怠る私は「太極十三勢」だけで約30年はかかりましたね。今日になっても「鼓蕩勁」を上手く演出するにはかなり難しく、体が少しでも調子が悪いと上手くいきませんね。私なりに鼓蕩勁への理解を語ると、陰陽五行がかなりきちんとしたバランスが取れている状態時のみ発生する特殊な太極勁と言う表現が一番相応しいような気がします。思い起こすと師馬岳梁が少し目眩を起こした時に誰とも推手をせずにしていましたが、今になってその時ももしかして「鼓蕩勁」が上手く起こせないことではないかと感じるようになりました。
 一般的には道教太極拳が「鼓蕩勁」のことをこのように説明しています。「气?縄、腰松、腹净、含胸、拔背、?縄肩、垂肘,节节舒展。动之、静之、虚之、实之、呼之、吸之、开之、合之、刚之、柔之、缓之、急之、此种种混合之劲,乃是鼓荡也・・・」謂わばどれでもないと言うことですね。わたくしも調子がよい時に推手時あまり体は動いていないのに足のそこからパワーが漲ってくる感覚があります。人に指一本しか触っていないのに推手の相手様は体が浮きます。「鼓蕩勁」がかなり安定していた師馬岳梁では時折、推手相手様の手や体を触っていないのに、相手様も重心を失い体ごとに浮いてしまいます。何故このようになるのかは自分がある程度の「鼓蕩勁」を理解出来る迄は説明出来ませんでしたね。今日になって推手相手様が何故体ごとが浮くのかなんとなく理解しているようで、自分の体が師馬岳梁のようにならないと解らない部分もまだ沢山あります。「鼓蕩勁」が出る条件はかなり簡単のようで難しいですね。謂わば、体が柔らかくなっていれば良いです。一本の筋、一つの関節、最後は皮一枚の勝負で「鼓蕩勁」がギリギリわかるようになります。でも、これは数十年がかかってしまいますね。近頃、研究会の方々が感じている体が浮く推手は「鼓蕩勁」の一種に当たります。
 「鼓蕩勁」はこの頃になってやっと身についてきましたが、わたくしも全然安定しておりません。この難しい「鼓蕩勁」を安定させる為には「十三勢勁」をバランスよく安定させることが大事です。「十三勢勁」は日々の太極基本権が大事ですし、条件が揃えば「八門五歩」気功修練も大事です。そして、何度も繰り返ししているようにご家族に推手を教えて日々の推手練習が「太極勁」をより簡単に習得出来る条件の一つになります。そして、推手ですが私は誰にでも教えてしまいます。回りの方からは大連盟は2年経ったところでやっと四正推手を教えるかどうかなどを教えてくれますが、私が教えている推手と大連盟が教えている推手とは全く違うものですし、当派では四正推手と十三種類の基本推手手法をほぼ同時進行で教えております。様々な推手手法での同時練習だからこそ、体の様々な部分のバランスよく柔らかくなれます。謂わば、体の軟らかさは「太極勁」の保証でございますね。そして、推手時は攻めの為の攻めではなく信頼関係を深めていく攻め、相手を活かす攻めを研究会で提案していくことは今年の目標の一つになります。謂わば、上手く交わして貰える期待を込めての攻めは推手の互いにとって一番有意義なことではありませんでしょうか。ならば押し合いの時は互いに手を軽くなるはずです。
 勿論、初心者の方はある程度の手の重さや硬さは許されますね。ただ、相手様に突っ込んでいくような意識ではなく、上手く相手様のエネルギーを回収して上げることで当然のように相手様ももっと体が余裕をもって「開合」を行うことが可能になるし、お互いの「太極勁」の上達にもきっと役立つはずです。この方法で修練しつづければ、いつかは「鼓蕩勁」が知らぬ間にやってきます……。

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