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人間(第七章)

2013年12月1日

 東洋文化では西洋と違い、師弟関係という表現があります。西洋人だっと先生とか教師の様なイメージが強いのですが、東洋の師匠とは流派や内容によってはまるで親子のような関係も希ではありません。というよりも例えば、日本の歌舞伎の世界でも殆ど親から子しか伝授しない内容が殆どですね。親戚の若手歌舞伎俳優の話しでは父親には家の中でも敬語を使っていて話すなど実に普段の家庭では考えられないことです。そしてその理由を聞くとなんと、さらっと「師匠だから・・・」です。これはこの師匠の新米であるわたくしには大きな啓示でありますね。私は是非とも歌舞伎俳優の義兄弟に色々と勉強できればと計画していますね。そして、あたくしが恵まれている唯一のお弟子さんはわたくしの子供ではない為、これから自分が死ぬ迄の間にどのように師匠お務めるのかを実に毎日のように自分自身の糾明を続けているところでございます。
 ところで師弟関係の中でじつにすったもんが多いようですね。太極拳の世界では「推手」という項目があり、師弟関係で推手をするのも当たり前です。だが、人間は誰でも年をとり若い頃のパワー(太極では内勁と言うが)が無くなります。そして、見事に弱者になっていきますね。これは自然の規律であり誰も変えられないものですね。露骨に申し上げるとその時点で弱者の拳法である太極拳が身に付いているかどうかで全く違う結果になります。師馬岳梁では90歳を過ぎていて足の状態があまりよくなくても、我々は決して推手の相手ではありませんでした。その時も師は片足で軽々と私達を浮かせてはほんの僅かな力で飛ばしていましたね。(勿論、師は公園で時々、一般のお年寄りとも四正推手をしていましたが、その時はまったく飛ばしていませんでした)私達が色々語っても信じられない者が常に現れては師に挑戦しました。90歳を超えた師も勝ち続けていましたね!昨今、多くの呉式家元の人間との会話の中で知ったことですが、皆はもう馬岳梁師のような太極勁は到底無理でほぼ全員が諦めていますが、私は命のある限り追い続けていきたいと存じます。
理由は簡単ですが、私もいつかは弱者になります。弱者の拳法としては成熟した「太極勁」しかないですね。
 だが、太極勁できちんと成功出来る人間はほんの僅かであることも私は誰よりも分かっております。毎日の練習と正しい練習法、そして師との出会いも大切ですね。太極理論の研究も大切ですし、太極勁修練は危険と隣り合わせする時もありますよ。例えば、「八門五歩十三勢」なんかは初歩的な物は何とかなりますが、少しレベル上がったところのものだっとじつに偏差が起し易いです。本物の太極勁はこのような沢山の関門をくぐり抜けなければ身を結ぶことは不可能です。ということで弱くなってしまった師匠は推手の時に弟子に少し譲って貰わないとやはり面子丸潰れでございましょう!ここで、およそ師匠が七十歳を超えたところで新たな師弟関係が生まれるのです。武道家だっと他の伝統文化と違い生涯現役でいたいという意地があるようですね。外家拳も内家拳も年をとって体が動けなくなれば武道が出来なくなるのも自然界の規律ですが、「太極勁」は正にこの自然界の規律に挑戦しようとしています。
 そして、ここ迄は本日のテーマから大分ズレておりますが、太極勁が不成立した時の様々な人間像が実に不自然でございますね。太極大先生が公の場で推手の「技」を見せたくて弟子に演技をして貰ったり、そのお弟子さんもかつての御恩をお返しする為に喜んで師匠に触っただけで自ら退けたりして・・・。これでは太極拳が弱者の拳法であることが実に説得力がないですね。そして、昨今の若者ですが、あまりにも弱い師匠に対して譲らなくなった傾向もあります。私はこれが素晴らしいことだっと思っておりますね。と同時にその若者にも一言を申し上げたいですが、貴方達が将来、このような弱い師匠にならないように「太極勁」を修練しなさい。
 人間は50歳から60歳当たりで弱くなり始めます。自分もその年代に差し掛かっていますね。もう少しきちんとした「太極勁」が身に付いていなければ、私もすぐに若い方に負けてしまいます。練習しなければならないですね。

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