旧 太極拳よもやま話 未分類

人不動、吾不動。人微動、吾先動

2013年8月19日

 これは太極拳を修練する人間であれば知らない訳がございませんが、でも、昨今の「中国武術」を見ていると自分自身も常に体の色々な部分で動いています。肩が左右に揺さぶったり、骨盤も左右に大きく動いたりして、これは極真空手の方も指摘をしています。
 先日、香港白鶴拳陳克夫先生が亡くなられたことで、多くの方がこの中国人武道家の為にご冥福を祈られました。この外家拳の方の戦い方を見ても骨盤や上半身の動きを最小限に抑えていますね。実に感動しましたよ。これこそ戦う為の本物の武道ですね。昨今の中国功夫は「中国武術」へと急ピッチで移行しようとしていますが、勿論、ボクシングでベルトを奪い合いこともないし、異種格闘技のような危険性もありません。そして、皆がハッピーで華麗な動きで世界大会へ出られて、楽しくプロ生活を送っていますね。ならば、折角ですので、「中国武術」という名前も「中国武術体操」と改名したほうがよいではありませんでしょうか。何故かというと、あのように戦う前にして自ら体の大切な部分を赤裸々の動き出していたら戦えませんね。なので「中国武術体操」でしたら、はっきりとこれは綺麗に見せることしかしませんよ。定義づけた方が良いかもしれません。所謂、「中華風新体操」で世界へデビューしましょう。不服の方がいたら是非とも大晦日の異種格闘へ出場されてください。(おそらく資格がないですが)
 では、民間の伝統中国武道家はどうですか。まあ、簡単な話しですが、「呉陳比武」をもう一度ご覧ください。あのような戦いの中で貴方様は勝てますか。わたくしは自信がないですね。なぜかというと私はこのような実戦はあまりやっていません。昨今のインターネットを見ていると何人かの伝統武道家の方が戦ったら俺は強いぞ、の様な発言をされていらっしゃいますが、そしたら同じく大晦日へ出場なさってくださいね。もう一度「呉陳比武」のような戦いが見れますので、わたくしはかなり興奮しながら待っています。
 本日の本題に戻りますが、推手を真面目に練習している方々、この「人不動、吾不動。人微動、吾先動」はまさに皆様の座右の銘ですね。日々の四正推手の中で、いかに不必要な動きを無くし、「開合」を明確に相手に悟らないように行い、無味乾燥な四正推手を我慢強く繰り返すことで体の敏感度がアップし、相手のほんの少しの非常識な動きを感じることを修練していけば、いつかは「人微動、吾先動」の境界に達することが出来ますよ。

 吾:中国語古文では我という意味になります。

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