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「滄海一粟」と「大浪淘沙」

2013年12月13日

 ともに中国宋朝著名詩人蘇轼の名句から来た中国語の四字熟語です。「滄海一粟」は《前赤壁赋》である「・・・寄蜉蝣於天地、渺沧海之一粟・・・」から来たものですが、「大浪淘沙」はもう日本の皆様には説明がいらない位に知られています。これはともに詩人の悲観的思想からくるものであって、人間と大自然と比べるといかに小さな存在であることを言っています。中国著名画家の劉盘大先生もご自分の芸名を劉海粟にして、人間はどれほど有名になっても大海の上に浮かんでいる一粒の栗のような存在であることを常に自分自身に言い聞かせていました。人間はおよそ、自分の死を意識し始めた時に悲観になったり、真面目に祈ったりすると社会学者の方々が見解していますが、それは人それぞれ違うようです。私は中国の田舎育ちで人が亡くなっていたら7日も家に保存するとの習慣があり、わりと幼い頃から死の恐怖を感じていました。宗教により死は永遠の命へと変わる説もあれば、次の人生へ移り変わる説もありますが、誰も経験したことがないことは事実です。宗教家の間の皮肉的なストーリーです:シスター達がお茶の時に誰が先に天国へ言ったら一度現れてくださいねと、そしたら私達の信仰もしっかりと深くなりますねっと、そしたら数年後次々と姉妹が旅立って行ったが、しかし、誰も現れて来ません・・・残っている方々は恐れていて眠れない夜が続いたとか・・・私は無神論を出張しているわけではなく、神学者であろうが誰であろうが死への恐怖は誰でも持っているはずです。 
 私はいつも太極拳学生の皆様に人間の命は何時までか解らない為、生きている間に健康で楽しく生活しましょうねっと、またいつものように自分が皆様と何年の付き合いが出来るのかどの位の太極拳や推手、武器お伝授出来るかと色々心配し始めると皆様がいつものように笑ってくれます。とある若者ははっきりと「先生はあと30年は生きるのでしょうと・・・」言ってくれましたよ。貪欲的な私は流石にびっくりしましたが、でも、人の命は本当に解らないことで本年も沢山の友人や家族が去って逝きましたね。道教的では昔、不老不死の煉丹術があると言い伝えられていますが、今日の私達では道教の気功術だけでも結構難しいものがありますね。そして、道教では浮世から離れたところで激動の世界の様々な打撃や誘惑をシャットアウトしての修練になるので、近代社会ではかなり非現実的な話しになってしまいます。当然のように浮世にいながらの「太極修練」や「太極勁修練」も難度が高いことは多くの皆様が体験しているはずですし、実際に修道者となって世間や家族、すべての欲望を捨て切ることも今日ではほぼ不可能ですね。
 そうすると広大な近代社会の中に於いては「滄海一粟」という表現はぴったり合っていますね。ならばわたくしも偉そうに自分は何と内が出来るとか、自分は誰に師事したなどの自己アピールも控えめにしなければなりません。一方、この浮世的には宣伝という義務があって自分自身の「商売」になるようにセットしないと競争に勝てません。しかも、当たり前のように太極拳の世界では自分が把握している雑草のような太極拳内容の他に、場所、環境、地域・・・と様々な要素で商売を左右してしまいます。はっきり申し上げると競争社会では「滄海一粟」のままですね。師馬岳梁がもしも生きていて東京にいるのであっても、きっと雑草のような太極拳で教室の経営では勝ち抜くことは難しいと最近、感じています。実際、両師は当時の中国でも公けの教室などを経営してはいましたが、社会である以上どうしても競争があり、一生懸命に宣伝して他流派や制定拳から生徒を勧誘することは固く拒んでいました。
 これは師馬岳梁の考えでは、二つの意味の「大浪淘沙」になります。
 一、人間の一人として、誰も大波に流されていく砂の一粒に過ぎないことです。
 一、大きな石であればどんなに強い浪が来ても流されることはないでしょう・・・。
 私的にはどんなに大きな石でもいつかは流されて逝くものです。

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