デジタル技術の発展で世界は日進月歩に進んで来ました。20数年前、日本ではまだCDの世界ですが、現在はDVDも容量が小さいとか・・・。何事もインターネットで済ませてしまいますし、ネット上による様々な取引も簡単に展開されます。中国という国はまた、何事も改革を施し伝統文化はかなり改ざんされてきました。先般、中国の太極拳講座では香港やアメリカ、ドイツなどからも多くの方がお見えになり、日本人の駐在員は呉式太極拳に入門する程太極拳に熱中しております。講演会ではおおくの外国人の方から、太極拳について様々なご質問があり、わたくしも出来る限り応じて参りました。ただ、中国の方々のご質問が独特でなかなか答えられませんでした。例えば「先生の太極拳は24式太極拳とどう違うのでしょうか？」「先生の本日の講座はDVDとして出版するご予定は？」確かに、24式太極拳や太極剣は沢山のDVD出ていますが、規定太極拳や競技太極拳は中国政府が勝手に編集したもので、各伝統太極拳流派では政府編集のものを太極拳として見ておりません。逆に伝統太極拳の考えでは太極拳のようなかなり微妙な文化遺産はDVDなどで学ぶべきではないとのことです。ただ、伝統太極拳も現在、DVDを作ったりしておりますが、（規定太極拳の真似）日本ではこのような非常識的なことはないですね。DVDで歌舞伎を学ぶ？能を学ぶのようなふざけたことは日本では聴いたことがありません。隣の国で同じ漢字文化を継承しているのに、文化に対しては全然違いますね。
時々、私のところに呉式太極拳のDVDの問い合わせが来ます。残念ながら当呉式太極拳研究会はDVDを用意しておりません。今後は歌舞伎みたいに鑑賞用のDVDを出すことは可能ですが、学習用のDVDはないでしょう。何故かというと私はDVDで太極拳を学ぶことが出来ないと信じています。歌舞伎や能と同じですね。
