これは前の世紀80年代から議論されたことです。勿論、太極拳のみならず中国武術全体で大議論になったことがありますね。体全体の回転の中で骨盤が方向転換をすることはどの武術もありますし、骨盤が常に一つの方向にしか向かないことは勿論、不可能です。
太極拳は八つの方角で成り立つ拳法ですので流派によって発勁などが入ると例え方角を定めたにしても一瞬に骨盤を振るうこともありますが、基本的には骨盤を振るうにしても腰の動きで骨盤を連動することになります。勿論、当呉式太極拳の中にも腰を先に動かして骨盤を連動させることがあり、当然、これは骨盤を移動する時の動きですので、仕方がないですね。でも、基本的に太極拳の中の多くの動きは骨盤をなるべく固定して腰を動かすことは揺ぎのない真理であることは多くの太極拳論にでも言及しています。
十三總勢莫輕識。命意源頭在腰隙。變轉虚實須留意。氣遍身?默不稍癡。
Do not neglect any of the thirteen dynamics,their command coming from your lower back.You must pay attention to the alternation of empty and full,then energy will flow through your whole body without getting stuck anywhere.
競技太極拳では動きを大きく綺麗に見せる為に腰と骨盤の両方を動かすことを要求していますが、それはそれで芸術性をアップすることですから非議は出来ないですね。勿論、競技太極拳もある程度腰を動かすことですので背中の筋を伸ばすことにもなり健康法の一つでもあります。
腰を動かさないで骨盤を動かして回転する太極拳との説明もありますが、少なくとも武道的では日本の空手や中国の少林拳などがこれでは人と戦う時にはかなり不利と見ています。勿論、太極拳的にも同じ結論になりますね。そして、膝がかなり負傷し易いと言う問題はおそらく整形外科的にも同じ結論になってしまいますのでご注意ください。