若い頃からずっと太極拳や他の武術、またはバレエダンスなどを積み重ねてきた方々は年をとられても姿勢を低くしたり、歩幅を広くしたりしてもよいと思いますが、皆様は基本が出来ているからです。
でも考えてみると多くの方は年をとられてから太極拳を練習しはじめていますので、例え歩幅の広い大架太極拳であっても無理して形を広くすることが必要ありません。皆様のことを馬鹿にしているのではなく、皆様に合理的な太極拳を提供したいからです。太極拳というものは急に上がったり、下がったり、滑らかな動作を中断したりしていますとその時点で折角体の中に鍛えてきたパワーが散ってしまいます。太極拳というものは体の中が減りつつ無形のパワーがある一定のレベルを保ったり、減っている内部エネルギーを少しずつ増やしたりするものです。どんな狭くて高い形でも構いませんが、皆様のお体が同じ高さを保ちことが出来れば、体内部のエネルギーが増えるはずです。逆に高さが凸凹でしたら、内部のパワーを鍛えることは出来ません。
私も同じですよ。その日の身体状態に応じて形の高さや歩幅の広さを調整しています。理由は太極拳の基本である同じ高さを保つ為です。私どころか、他の太極拳大師の方々も同じです。
今回は孫式太極拳創始者の孫禄堂先生の写真を添付しました。あの大先生でも無理な形をしていないですね。私がこの人が孫禄堂であると言わなければ、誰も大先生だと信じないでしょう。あそこにおるお爺さんの太極拳とあまり変わらないですね。
実は太極拳は簡単そうなところに一番の強さが潜めています。