呉式太極拳研究会師範沈剛の太極拳よもやま話を読まれている皆様、あけましておめでとうございます。今年も出来る限りよもやま話を頑張っていきます。が、新年早々、中国上海より太極拳講演会のお誘いがあり、慎重に検討した結果、自分を鍛えるつもりで講壇に立つことになりました。ということでよもやま話も今月の8日当たりから2週間ほどお休みさせて頂きます。どうか、ご了承ください。
新年の第一回は推手時のテクニックとしての「量敵」との理論を説明致します。
古代の兵法はこのように言います:我を知り彼も知るならば、常に勝ち続けます。という訳で軍隊を率いて旅に出る時は、真っ先に自分の実力と敵の実力を測り、勝つ確率を計算します。これは誠の話しです。勝負事は双方のすべてが知るか知らないかにかかります。拳法は軍事力と比べればかなり小さいものですが、理論は同じです。例え、自分の短所で他人の長所にぶつかっていけば、謀略では失うほうですが、逆に自分の長所で他人の短所に当たれば、当然のように得します。勝つにはすべて損得が原因で、敵を測ることが最も重要です。
以前に太極拳の「問答」について説明したことがあり、主に動と静を問うことです。(相手を探ること)「問答」の目的は相手の重心と方向を感じることです。言い換えれば敵情を偵察することです。所謂、「量敵」です。双方が攻撃する前に、我はじっと我慢し静かに待機すべきです。彼が動かなければ我も動かないが、彼が微動を試みる前に我は先に動き出します。推手で理想とする技は相手と交わった瞬間に最初に動きで、すぐに相手の虚実(重心の偏り)を知ることです。皆で頑張りましょう。これは太極推手の五つの基本技法で成り立ちます。つまり、感覚、聴勁、虚実、問答、量敵です。
では、明日は虚実について説明しまして、これで推手の五つの基本は全部揃いますね。皆様、この線に沿って推手を頑張れば忽ち上手になりますよ。
くどいようですが、太極拳は基本拳と推手を同時に学んでいくことで太極拳になります。
呉式太極拳研究会師範 沈剛
量敵
2013年1月1日