大変、恐縮ながらこの話題に触れてみたいですが、私は呉式太極拳しか出来ません。他流派といっても、ネットで太極拳大師の動画を見るしかありません。最近インターネットでtaiji quan grandmasters demoという動画を見つけました。これは1984年に中国武漢という場所で行われた世界的な太極拳交流会でした。呉式では馬岳梁、呉英華大師と同門の施梅林等が参加していました。私はあの大会に参加していませんでした。一応、存じている先生が数人います。例えば、陳小旺先生、楊振鐸先生、付鐘文先生、孫剣雲先生が皆、若かったですね。
陳式太極拳では、瞬間の爆発的な「発勁」の中に「開合」もかなり早い速度で行われていますし、その一瞬に前傾も含まれているのです。「発勁」で「開」でしょうか?「座胯」がきちんと出来ている陳小旺先生はさすがです。「合」の時点でも「発勁」をしているところも発見しました。そして、陳式太極拳では左右の「開合」も重んじています。
楊式太極拳は呉式と通じるところがかなりあります。楊振鐸先生、付鐘文先生の基本拳を見ると前傾もかなり入っています。しかも、前傾になり始める瞬間もほぼ、呉式太極拳と同じです。さすが、楊式小架が呉式太極拳の基本ですので、二名の先生のどうがは私達のお手本のような物ですね。そして、楊式太極拳では「迈步如猫行,用劲如抽丝」(猫のように歩き出し、繭の糸をぬく勁を用いよう)との言い方がございますが、楊振鐸先生の基本拳はまさしくそうですね。
武式太極拳は陳式新架より変化されて来たので、陳式太極拳のように左右の「開合」が多く見られますが、前後の「開合」もあり、前傾の幅は小さいが、前傾の姿勢も含まれています。男性のアナウンサーの説明で「発は開なり…、収は合なり…」と、中国語で説明しています。これは呉式太極拳基本理論とは相違がありません。姚継祖先生に面識がございませんが、推手の達人だと伺ったことがあります。
孫式太極拳は武式太極拳と「形意拳」などの拳法より変化されています。勿論、左右の「開合」は言うまでもなく、瞬間の早いステップで前後左右移動している間に秘かに「開合」を行われていると私が感じております。実際、孫剣雲先生と二回程推手の交流をしたことがございますが、軽いようで重いようで…。勁が突然現れたり…。急に消えたり…。重心の所在は殆どわからない程でした。孫剣雲先生に言わせれば「雲手」の時は、小さい船の上に立って、ロープは向こう岸に縛っていて、こちらから船を向こう岸へ軽く引っ張っていくようにしなさいと、このように「開合」を説明したことがございます。
他流派の皆様、以上の考えは私という大変未熟な太極拳修練者の粗末な見解ですが、間違っていたら是非、お叱りの言葉を頂きたく存じます。宜しくお願いします。
本日のよもやま話しですが、facebookにて、動画をシェアーした上でほぼ同じ文書でアップ致しております。是非、動画をご参考にどうぞ。
なにしよ、太極拳大師の集まりですから。
恐れながら、太極拳の他流派の「開合」について、少々、私なりの見解を致します。
2013年3月21日