道教太極拳のみならず、古代中国では槍という武器は長兵器としてよく使われていました。古代日本も同様です。槍は主に乗馬して戦場で戦う時に使っていましたが、乗馬しない武道家も槍を操っていました。
槍は文字通り、長い棒の先に尖っている刃物があり何とか離れている人を攻撃する武器です。その使い方としては主に扎、点、圧、劈、锁、钩、挂、扫、挡、推、盖などの手法があります。勿論、少林、太極、心意六合槍など流派によって若干違うし、民間でも多くの家庭が独特の槍術を修練していました。
中国の歴史小説で槍使いとして一番有名な人物はおそらく、宋の時代の将軍の「岳飛」であります。彼の槍は心意六合槍といい、どちらかというと内家拳の部類になりますが、少林などの外家拳のような動きも入っていることはかつての師馬岳梁より伺ったことがございます。
でも、岳飛は同時代の中では槍使いの一番手ではありません。歴史に記載されている人物で「高宠」という人がいて、おそらくあの人は中国歴史上で槍使いの第一人者ではないかとの呼び声が高い。記録によると彼の槍はお茶碗のような太さだったようです!彼の槍術はその一族が代々伝わった秘伝的な術であり、彼が「金の国」の「滑車」というからくりで殺されてその秘伝の槍術も無くなってしまったようです。
私は二十代の時に18キロの鉄の槍を作って修練していましたが、日本に来る前に処分致しました。当時、あの槍を操ることが出来たのは師馬岳梁と私、そして少林拳法の「海灯法師」位でした。勿論、他に力持ちの人は沢山いると思いますが、残念ながら交流がありませんでした。現在はかなり軽い槍を甘んじて使っています。FBの友人が長い竿を販売しているところを紹介してくださったのですが、それに似合った槍先がない為、断念致しました。
人間の機能が弱くなっていくことは避けられないことですかね。
中国歴史上の槍使いの名人達
2013年4月12日