昨日の四方山でいろいろと書き過ぎていて、本日の話題で最初からかなり悩んでしまい、どうしても関連する話題から入りやすいこともあって、この話題にしてみました。但し、本人は少林拳にはまったくの門外漢ですが、四方山を書いている間、おそらく本日の話しの一部分が自分の憶測も入っていることを冒頭、お詫びをしねばなりません。
少林拳ではかつて、72種類の拳法があると伝わられています。全部習得出来たのが日本人の皆様もきっとご存知の達磨(ダルマ)様だけだというふうに言い伝えられています。彼は印度からの僧侶で中国の少室山迄徒歩でついたらすぐに山の洞窟に入り、十年間の「面壁」(壁に向かったままの黙想)を行ったそうです。十年間に食事の世話をしたのが当時の少室山の僧侶でした。元々、少室山のお寺には「功夫」はありませんでしたが、達磨様は十年間の恩を思い出し、72種類の少林拳を少室山の僧侶に伝授したそうです。但し、一つだけ条件があったようです。これは「誰でも72種類の拳法を全部修練してはならない」とのことでした。達磨様もケチだなと若い頃の私もこう思ったことがありますが、今になって考えてみると達磨様は人間のことがよく理解した上でこのような掟を残されたことに違いがありません。
人間は結果的に新しいものを求めていくことに傾いてしまいますが、現状に対する満足は更により完璧な現状を作り出すきっかけになります。この点では達磨様は仏教の人間で道教老子様とほぼ同じ人間観に辿り付きましたね。
日本語の「足元を見る」という表現ですが、道教思想に非常に近いですね。素晴らしい国です。
少林72種類拳法
2013年6月9日