宗教学者の考えでは、筋骨皮は取り合えず使わせている物だそうです。それはそうですね。人間が死ぬと筋骨皮や筋肉・・・全てが焼かれて塵になります。魂の存在を研究することは私のようなレベルの人間では到底、無理です。私達呉式太極拳や他の太極拳本系は現世で取り合えず「使わせて頂いている」筋骨皮の研究、というよりも筋骨皮の訓練をしています。勿論、この世に於いて筋骨皮がいかに楽に使用出来ることを前提にして体を動かしています。昨今のネット上では「精気神」とのことはもうかなり出揃っていますが、基本的な太極論の説明では筋骨皮の段階を通らなければ精気神が有り得ないです。精気神とは人間の体の内部の筋骨皮以外のエネルギーのことです。人間の体という容器がしっかりしていなければエネルギーを貯めることも難しいし、複雑な体内の様々な経路が詰まっているとエネルギーの循環が悪く、とても調和出来たとも言い難いでしょう。ということですが、気の修練や内勁の修練では筋骨皮から始めます。
筋骨皮の修練とは、これは文字通りの筋骨皮を赤ちゃんに近い状態まで戻すことです。推手が上手くなることはあくまでも一つの結果であり、筋骨皮の修練は一人ひとりの健康に直接繋がっている大事なことでもあります。冒頭申し上げた通り、無能な人間で取り合えず使わせて頂いている筋骨皮なものですので、正しい太極拳の大切さはもうこれ以上繰り返ししなくてもいいでしょう。
では、いかに筋骨皮を修練するのかと、これはもうずっと説明している通り、初心者の方々がまず「開合」をまず行って下さいね。これで初めて筋が伸びますよ。
貴方様が初心者かベテランか?これは私に聴かないで頂きたいですが、因みに太極拳修練者(私を含む)は皆、初心者みたいなものです。簡単に申し上げますと、人間の体の老化は毎日のように激しく進みます。今日一日の太極拳修練をさぼってしまえば、その分太極拳の大先生でも衰えに勝てず、初心者に逆戻りしたようなものです。何故かというと筋骨皮は実に簡単に老化してしまいますよ。私の研究会では遠方のプロに時間性のレッスンもしておりますが、東京近辺の太極拳修練者での時間性レッスン(月一回のような)はお断りをさせて頂いております。簡単に説明すると、月一回だと例えご自分で修練されても殆どの時間帯に筋骨皮を鍛えていない太極拳修練になりますので時間の無駄(貴方様とわたくし)とお金(貴方様)の無駄だけです。ご縁があって私のところで太極拳を学ぶすべての方に対して責任があり、効果が教学は互いにとって良くないですね。
筋骨皮の修練は死ぬまでです。太極拳もそうですね。一日生きている限り、楽に生活出来る為に毎日続けています。
何ですって、貴方様は太極拳をやっていて、年とったから出来なくなりました?!これはやっていた太極拳自体に問題がありますよ。
筋骨皮
2013年8月22日