中国語の「打」は、日本語の「する」、あるいは英語の「play」のように、日常
会話に広く使われているそうです。
「打球」は球技をするで、「打排球」はバレーボール、「打籃球」はバスケット
ボールというのはイメージとも馴染みますね。
「打鳥」は鳥を撃つ、「打魚」は魚を捕る、「打草」は草を刈る、「打字」は文
字を打ち込む、「打電話」は電話をする…
なんでも「打」が付けばいいんじゃないのか?と思うぐらいに色々な言葉がある
そうです。
さてさて、太極拳をするのはもちろん「打太極拳」ですね。
しかし、公園で早朝にのんびりと太極拳の練習をしているイメージがあるからなのか、「打太極拳」には「のらりくらりとやり過ごす」という意味もあるそうです。
>のらりくらり、日本だと「お役所仕事」などという言葉に代表されるように、のらりくらりと仕事をして利用者を平気で長時間待たせるというネガティブなイメージがありますね。
もちろん武術/武道としての太極拳も、少しの力で大きな力の相手を制するために、相手の攻めを”のらりくらりとやり過ごす”場面があると思うので、それはそれで合っている気がします。
そのようなイメージに加えて、呉式太極拳は他流派と比べて柔らかいと聞いていたのですが、実際に習ってみるとハッキリさせるところが多いのが印象的でした。
「単鞭」では両腕をしっかり伸ばす、「手揮琵琶」では前足を棒にしてかつ浮かせられる様にする、「楼膝拗歩」では後膝をしっかり伸ばして後ろ脚を浮かせられる様にする…
沈先生曰く、「柔らかさを育てるためにはしっかり伸ばすことが必要」なのだそうです。
いわゆるストレッチ(柔軟体操)のイメージだと感じてます。
柔らかくなれば、自ずとのらりくらりと相手の攻めをやり過ごすことができますよね?
”しっかり伸ばす”と”のらりくらり”は一見、関係がなさそうですが、思わぬところで繋がっているようです。
そういえば、お役所はお休みが安定しているから余暇が充実されている方が多いと聞きます。
しっかり伸び伸びされているのですね!
悪い冗談はさておき、我々の普段の生活でも伸び伸びする時間を大切にするのは良いことだと思います。
仕事でも生活でも、人間関係やお金のことなど、不安なこと、大変なこと、突発的なこと…
いろいろな”攻め”を受けると思いますが、”のらりくらり”とやり過ごせる柔らか
い生き方ができる様になると、きっと違ってくるのでしょうね。
私?もちろん、呉式太極拳を伸び伸びと練習させてもらっておりますが、柔らかくなれるのはいつになるのか…
いつか、”のらりくらり”できる様になりたいですね。
忙しさで細くなることはあっても、長く練習を続けていきたいと思います。