旧 太極拳よもやま話 未分類

モンゴル相撲からの前傾???

2013年11月27日

 最近では、日本で呉式太極拳で少々イベント的な話しがあり、ネット上でも呉式に関する独特な姿勢や呉式の特徴的な話題が増えております。いつものように私の携帯にも色々な呉式に関する問い合わせが来ておりますね。初歩的な質問とは言え、一人ひとりにきちんとお答えしないと、誤解と誤解が重なっていたらそれこそ解けない縺れになって流派のイメージ迄に影響が出る恐れが有り得る為、毎回のように電話や直接お会いして呉式の色々な事を説明しているところでございます。少しでも、自由時間が欲しい為、本日の四方山で出来るところで説明をしておき、ネットでご覧になれる方々に参考になれば幸いです。
 まず、本日のお写真をご覧ください。どなたでもご存知の様に呉式太極拳の先生ではなく、一昔の楊式太極拳の先生でありますね。そう、楊澄甫大師でございます。昨今、呉式太極拳の前傾はモンゴル相撲前傾から来ているとの説が飛び舞っていますが、八旗弟子である呉鑑泉はモンゴル文化とは無縁ですし、百歩引いて昔の楊式太極拳もかなり前傾をしていることは本日の楊澄甫大師の写真でよくわかりますね。まあ、何故か今日の楊式太極拳ではこのように極端な前傾をしなくなりましたが、理由はこのわたくしにはわからないことですが、但し、前傾の理由を本日の四方山を借りて説明したいと存じます。
 かつて、王宗岳大師の門下で蒋髪という方が楊式太極拳創始者である楊露禅大師に伝授した「太極法説」の内容の中で「太極陰陽顛倒解」という説法があり、これによれば体が前進している時は「開」であり、体が後退している時は「合」であります。その有名な44字は以下の通りであります。楊式太極拳家元の方でしたらご存知のはずですが以下の内容でございますね。
 ?飜乾天日火?偕放出发对开臣肉用气身武(立命)方呼上进隅
 阴坤地月水坎卷入蓄待合君骨体理心文(尽性)圆吸下退正
 陽と陰と進と退と、開合の関係が明らかであります。このように開合を行っていれば、体が進む時は自然と陽になり、方角は自然に北から南、または西から東へ向かっているはずです。そして、息を吐き出しますね。すべてが前に向かっていますよ。体も前傾ですねっと師馬岳梁と楊式太極拳四代目弟子の楊振鐸大師は異口同音で話したことがあります。ということは楊式太極拳も前傾ですよ。結果的に王宗岳はの太極拳と宋遠橋派の太極拳基本姿勢が一致していますし、呉式は基本的に楊式小架拳と「三世七太極拳」の両方を兼ねていますので、楊式太極拳と大きな基本姿勢の差がないはずですよね。
 ということで、モンゴル相撲からの呉式太極拳の前傾姿勢は不成立であります。では、前傾はとちらから来ているのでしょうか。
 前傾は楊式太極拳と「三世七太極拳」からのもの、道教本来の陰陽開合説の産物でございます。道教宋遠橋が伝授した「三世七太極拳」は現在、宋遠橋真人の子孫のごく僅かな一部と呉式家元のごく一部の間に修練されており、開合の「開」の時点では現在の呉式や過去の楊式とほぼ変わらぬ、前傾を重んじていますね。
 因みに、「三世七太極拳」の名称は以下の通りです。
 雲手。單鞭。雙鞭。彎弓射雁。揮琵琶。進搬?措。簸箕式。鳳凰展翅。雀起尾。上提手。倒攆猴頭。?雪膝拗步蛇行。肘下捶。轉身?犢腳。上步栽捶。斜飛式。翻身搬?措。玉女穿梭。高探馬。單擺蓮。上跨虎。攬雀尾。山通背。海底珍珠。彈指。擺蓮轉身。指點捶。金?胯獨立。泰山生氣。野馬分?蝙。如封似閉。左右分腳。掛樹?燼腳。推碾。二起腳。抱虎推山。十字擺蓮。
 本邦初披露ですが・・・。

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