昨日は年越しと人生について考えてみたのですが、本日は人間の日々の成長について考えてみたいと存じます。と言って私が何歳になっても大人になれていないことが多々あると自分自身が関しております。回りからは色々な親切な友人からは常に沢山のアドバイスが来ます。商売を専門の方からは特にもっと金儲けをしなければとの助言も頂いているし、故郷の人間は上海に戻ることを勧めていることも多いです。自分は呉式太極拳家元の人間で御座います為中国で教室を開くと海外よりは儲かるではないかとの発想からの助言だと感じておりますね。実際、他の流派も諸外国より家元の先生が撤退しているケースが多く伺っておりますね。一般的には海外の皆様にとって家元とは何であるか解らないケースも多々ありますし、一言で家元と言ってもそれなりの実力がなければ当然のように貴方は誰ですか、になります。日本は極めて安全な法治国家ですが例えば「俺の推手が強い…、戦ったら俺は強いぞ…」と言う方が吉田沙保里選手のタックルに倒されたら、太極拳も中国武術も全部台無しで日本では経営できなくなります。ならば当然のように中国と言う太極拳や中華武術を必要とする大きな市場で羽ばたけばよいことでございますね。このように多くの方が金銭を優先にして方向転換したりしていくうちに無情にも時は過ぎ去って行きますが、海外で経営が苦しくなって自国へ帰郷することは世界のどの国にもある話しですが、自国へ戻った後に立て直すには更に時間がかかります。そして、海外へ長かった人間は自国への対応はスムーズであればよいですが、私みたいな日本に四半世紀もいた人間でしたら自国は新たな外国のようなイメージが強いですね。ならば結果的にこの国で頑張るしかないでしょう。
ならば「金儲け」をしないければ…、と仲間の皆が言います。私は皆と同じくお金大好き人間ですね。お金があって色々なものを購入したい夢は毎日見ておりますね…。まあ、そう思うと少しだけ悲しくなって来ますが、何故かと言うと今日の私はまだ金持ちとは言えません。買いたいものは全部買える経済状況でもないです。私も懸命にお金を儲けようと努力しているとの自覚はあっても少々、時間が足りないことは事実ですね。これは太極勁の修練で時間がかかっているからですね。おっとっと、何故かここで急に近代人が太極勁修練でなかなか成功を収めていない原因が急に浮き彫りになったような気がします。でも、今更こう言っても近代社会が今日からはじまった事ではないですからね。となれば産業革命や改革開放が「太極勁」のようなもの凄く時間がかかってゆっくり修練しなければ出来てこないものの墓場になってしまいますし、当然のように「太極勁」と無縁の健康優先種目でしたら近代社会にはぴったりマッチしていることは確かですよね。言い換えれば近代社会が今日のような太極拳を必要そしています…。
でも、時が過ぎ去って逝き、時代も私達の身のすぐ近くから通り抜けていきます…。そして、近代社会が私達に豊かさをもたらしてくれましたが、この豊かさでの為に私達が支出したものも古代人よりはかなり大きいでしょう。たった今、私の妻から二年前に一度あった男性の方が急病で亡くなった事が告げられました…。二年前にこの亡くなった方が私と三時間位に渡り話し合いをしていましたね…。時も時代も、人間も過ぎ去って逝くものです。この世に無くならないものと言ったら思想でありましょう。私達が偉人を記念することが多いですが、それはもはやその思想を思い起こしていることに違いがないです。当然、その偉人が生きている間に自分の素晴らしい思想を樹立して於かなければ死後になって記念される程の思想家にもなれないですね。
こうなると自分が一生懸命考えている「太極思想」について、かなりの不安がよぎって来ます。毎日のように一生懸命太極修練をして金持ちにもなっていなければ思想家にも遠いし…。老後の健康だけがまだ可能性があるにしても、これでこの世に生きている数十年の間に成功を収めたかどうかと問われると、私は言葉が失います。
太極思想はなるべく多くの方々と共有出来る環境作りがこれからの自分の人生にとって大きな責務ですね。暖かいご支援を乞い願います。
