私は本来、気功と言うものに本格的取り込みたくないです。原因は気功と言うものは本当に難しい稼業ですね。およそ、この世の中のすべての難しい分野に触れることで何かのリスクを背負ってしまいます。こう言う意味で太極拳自体は非常に簡単な気功術になりますが、でも、例えばあきらかに五行バランスを考えていない太極拳でしたら気功偏差が起きて様々な問題を起こしてしまうケースも世界中には珍しくないですね。私は出来る限り気功に関するご質問を避けて来ました。何故かと言うとこの異色的な太極拳流派の気功に関する意見は他の流派と大分違いますし、色々話しても聞かないケースが実に多く、時折、私が気功詐欺師みたいに預かられる時もありましたね。でも、近頃は本当に気功で大変困った方が助けを求めて私の元にいらっしゃっています。お陰様で何とか安定していることで私にとってはこれ以上ない慰めですね。本日は私達が理解している気功と言うものを少し話してみたいと思います。
大小周天の話し：ご承知の通り、小周天は別名子午周天、大周天は別名卯酉周天です。小周天は元々、地球の自転一周のことを指しますが、人間の気が任脉と督脉を巡り一周することです。具体的に言うと丹田から出発して、会陰を経て肛門へ、脊椎督脉を通って尾闾へ、夹脊と玉枕三关を経て頭上の泥丸へ、両耳から颊へ分かれて下がり、舌の尖に集まり(または迎香から鹊橋）。この時点で任脉接続して、胸と腹の真ん中から丹田丹田へ戻ります。大周天は古代天文用語で地球が太陽に向かって一周する意味です。気功術では十二经脉を一通り気で巡らすことです。具体的な順番はこうなります。肺経、大肠経、胃経、脾経、心経、小肠経、膀胱経、肾经、心包経、三焦経そして再び肺経とのことです。ツボで言うと涌泉、足三陽、脊柱督脉、百会、手三?飜、劳宫、手三阴経、胸の任脉から下り、丹田、足三阴そして再び涌泉穴へ戻ります。
大小周天の修練法：これは流派によって違いますね。と言っても自己暗示でそれぞれのツボを通させることは間違いなく問題を起こしてしまいます。はっきり申し上げますと古代の人々がこのように自己暗示で修練して成功した人もいます。でも、これは明らかに世間と一歩離れている道士や御坊様で集中出来る方に限ります。一般的な社会人では様々な雑念を抱えており、そして、修練時に横に内勁の深い先生もいなければ、むやみに自己暗示してこの大小周天の一つひとつのツボに気を通させることでは、必ず偏差を起こしますね。この私が恨まれてもよいですが、貴方様の健康と安全を考えて侃々諤々言わせて頂いております。
このようなこともあって、太極門では安全を最優先に考慮し六年位の修練を積んだら始めて入門を許し、入門の気功術を教えはじめるのです。近頃では、機構偏差を恐れている太極門の師匠もいて「八門五歩」などの基礎気功術をお教えしない者もいます。勿論、弟子が気功偏差を起こしてしまえば、師匠になる人間はそれを解消して上げなければなりませんよね。道教や仏教の気功術では人々に自己暗示を絶対に止めるように勧めています。固定の動きで呼吸を合わせてやればいつか大小周天が自然に通りますが、もっとはっきりした言い方をしますと、健康的な成人で特別に疲れていなければ、誰でも小周天は通ているはずです。気功などを何も練習していない健康人で大周天が自然に通っている方に出会ったこともありますね。大小周天は人間にとって実に簡単なものに過ぎませんが、無理して自己暗示迄して練習するものとは違うはずです。
気功も太極勁もすべて結果です。太極門の考えでは、気は誰でも持っている物です。気をコントロール出来るようになればはじめて勁になりますが、所謂董勁はどんなに早い人でも十数年、私のような知力が低い人間は実に30年近くかかっています。何も考えずに毎日のように太極拳を練習していれば、大小周天ところか、誰でも異経八脈に簡単に到達しますね。時間をかけてください。そして、自己暗示を止めてください。必ず成功しますよ、そして、太極拳で言えるのは、正しい太極拳を選んでください。
