師馬岳梁、呉英華の影響で自分程推手が好きな人は他にあまりいない位に誇っていますが、今更コンコンプレックスなんて口にしてもただのイメージダウンではないかと回りの誰もが言います。でも、私は敢えてコンプラックスと言うテーマーで文章を綴ってみたいです。なにしろ、自分が一応常識的に推手をしていると確信しており、自分の推手はどうこうするつもりもありませんが、当流派を含む世界中に間違った推手の考えた挙句、少しでも自分の所見を皆様に分かち合い出来ればと願いワードを立ち上げました。私は数ヶ月前のよもやま話を読み直しするとやや他流派を批判的に語ったことが事実です。本日のテーマーを見ただけでまた私の批判がはじまったと思う方が多いでしょうが、以前の批判と違い今回は自分の流派(所謂呉式太極拳上海派)にまずメスを入れてみたいです。
現在、世界中に呉式最強との噂があちらこちら聞こえていますが、私は呉式の弱さでコンプラックスさえ覚える程悩んでいます。勿論、私は今更呉式太極拳を東西南北で分けるつもりはこれっぽちもないですし、実際に上海流派の事情しか知りませんので自分のところしか語れません。
私は今年中に実に二回も故郷上海へ帰郷するチャンスがあって、いつものようにかつて自分が太極拳教室を展開していた公園へと里帰りのような気持ちで散策し、勿論、太極拳の練習もします。勿論、この爺を知る人は殆どいなくなりましたね。私もかつての仲間(一人だけ)の顔を見て声をかけられませんでした。自分の顔だっと長い間日本語お喋っているおかげで大分変わったようです。幼い時から練習に励んだ公園の風景は大分変わりましたね。呉式太極拳をやっている方はかつて程の人数とは比べることが出来ない程少なくなりました。そして、自分はいつもと変わらぬゆっくりと呉式慢架を繰り広げていて、なんとなく回りから異星人を見ているような視線を感じましたね。そして、ついにそわそわと議論の声も聞こえてきましたよ…。最悪の雑念です。一時間後にやっと最後に雑念の誘惑されてもつれながら息を吐き出すとすぐに中年男性に声をかけられました。「貴方の先生は誰ですか、貴方は呉式ですか、何故我々の呉式と違うのでしょうか…」と、質問攻めが始まりましたね。私はこのような面倒くさいことを応えるのも嫌ですので、いつものように「いいえ、これは私が作った体操です。何式でもないですよ」と答えます。(日本の公園で練習しても声をかけられることがあるが同じ答えにしています。)到頭、隣にいたご年配の方が口を開いたのですが、「青年、太極拳やるのがよいですが、体が揺れてはいけないと…」、
余計なお世話ですが…、実際、私が修練している呉式太極拳は踵一つで重心を取ることが多く強風に煽られたら倒れそうにはなりますね。まあ、一般の方にはこれが理解し難いのはわかります…。でも、先生は誰だと聞かれると流石に答えられませんでしたね。
ここで段を変えるかどうかは私も結構迷いましたが、違うことで変えさせて頂きます。
その後ですが、青年の方の数人が私に太極推手が出来るかどうかを尋ねられましたね。困りました。一種の青年のような衝動で「下手だが、少しは出来る」と応えるとすぐ、交流が申し込まれましたね。結果、青年と手を合わせた瞬間に彼が重心失い倒れそうになったのですが、私はすぐに「勁」を撤回し彼を支えました…。
後に知ったことですが彼も呉式の弟子となった人物です。中国太極推手では弟子が師匠に面子を上げるのが当たり前で、師匠が弟子の抵抗を少しでも感じると嫌になり教えなくなります…。そして、悪循環で師匠も弟子は皆弱いままなわけですね。これは呉式ではかなり目立ちます。
友人の紹介で公園でご年配の方と推手をしました。彼は多くの方より面子を頂いているようです。ご老人は私を責め立てましたね。私はもしも太極勁を使うと彼は絶対倒れます。私は仕方がなく勁を全部封印して自分で硬いところを一生懸命作って逃げる推手をしましたね。何度も押し出されましたよ…。
推手コンプレックス
2013年12月29日