聴勁と言う言葉はyahooジオログで出るかどうか、心配ですね。というよりもこの「聴勁」は中国人の武道家でさえ理解出来ない程、難しいです。でも、これは確実に太極拳の一つの用語です。
聴くとは把握という意味です。相手の前後左右のどちらが割りと重いのでしょうか?(初心者は大抵、明らかにどちらかに偏っていますが、)どんなベテランでも必ず偏りがあります。聴勁は推手の時に相手の重心状況を偵察するとの意味合いがあります。まずは心(脳)で相手を「聴く」べきです。太極拳の上級者は集中すれば自然に相手の体内のごく小さな動きが耳で聴こえてくる場合があります。(筆者も数回しか体験していません)そして、この状態であれば体内の気が素早く無意識に動くことが体験出来ます。勿論、自然と推手の時に無意識に相手様を飛ばしてしまうことがあります。いわば、心(脳)で意を支配、意で気を支配、気が体中に充満します。先に相手の偏りはどちらかを弁別して、その方向を狙うべきです。
聴勁は方向性をきちんと定め、敏感度がものを言います。相手が伸ばせばそれに従うし、相手が縮めば離れずについていきましょう。聴勁は自然に進退することが大事です。
聴勁はかなり難しいですが、只管基本拳の練習に没頭することと、推手の練習する相手と共に進歩していくお気持ちがすべてです。
共に進歩していきましょう。
呉式太極拳研究会師範 沈 剛
推手の聴くパワー(聴勁)
2012年12月28日