私が3人の師匠がいることはもう秘密ではありませんね。馬江麟師は現在も健在で多くの呉式太極拳の技などを毎週のように国際電話をして確認し合っておる師弟関係です。幼少期より最初は呉英華師より呉式太極拳慢架の108式を学びました。後に呉英華師より一路剣の乾坤剣と二路剣の七星剣、三路剣の連環剣などを教えて頂き、馬岳梁師よりは多彩な推手全般と刀と十三槍、二十四槍、札四槍、八門五歩などを教わりました。但し、今になって考えてみたのですが、宣伝法と言うものは馬家の皆はあまり上手とは言えませんね。馬師も呉師も当時の1985年に再び鑑泉太極拳社を立ち上げたのですが、あまり積極的に宣伝していなかったし、我々にも絶対に無理をして他の流派より学生さんを勧誘しないようにと警告し続けていました。回りでは馬と呉がかなり自身に満ちているかたこのような冷たい態度お取られたのではないかとそわそわ、議論していました。やがて、その議論も両師の耳に入り、きっと何かの反論が出るのではないかとおもいきや、あの二人はただ、黙ったままでした。そして、黙々と太極拳の練習をし続けていましたね。師匠は宣伝が下手だと私もずっと思っていましたね。しかも、今日になって上海呉式太極拳家元は第四代弟子が担うことになっても何故か私の二人の叔父もそんなに積極的に宣伝しているわけではないようです。海龍叔父は太極拳と書道と音楽鑑賞、江麟師父は音楽鑑賞と演奏ですね。（師父馬江麟はよくギターを弾く）
この私もじつに宣伝が下手だと思います。人様が喜んで私の太極拳研究会を選んで頂けるならばこれ以上嬉しいことがないですが、無理して人様に太極拳を教えてもその人がストレスでも溜まっていたら太極拳効果が台無いではないかと個人的に思っています。まして、他所の太極拳教室の生徒さんとかち取る行為なんかは不道徳だと思っております。師匠似の私は近頃研究会の生徒さんより、先生は生計はたてられますでしょうかとご質問されたことがございます。勿論、私は出来るならばもっと上手く工夫して宣伝したいですが、皆様もご承知の通り、太極拳と言う拳法は何故かかなり時間がかかってしまいますね。私はお時間がたっぷりあって毎日のように自分の武道教室の営業で回れる方々を本当に羨ましく思います。あまり練習をしなくても一定の実力が保たれる拳法をも羨ましく感じております。しかし、非常に残念なことで太極拳と言うものは一日でも練習しないと何故かかなり実力が下がってしまいますね。そうそう、私はまだまだ、実力が低くて本当に毎日の練習をきとんとしていかないと次の日に必ず呼吸困難になってしまいます。毎日のように練習してもなかなか「開合」に合わせてゆっくりと呼吸を行うことは難しいですね。結果的の私は宣伝する時間は本当に限られております。そうそう、毎日のよもやま話しも日課になってきましたね。これも速くて40分位はかかりますが…、時間がありません。
ということになると私は皆様に最大限の自由を与えて、そして、出来る限りの呉式太極拳をより充実した共学内容として提供し、皆様が自然に集まってくださることを祈るばかりです。とは言え、時間があれば私も営業に参る所存でございますよ。でも、自分の心の中の営業はもしかしてこの社会には合わないではないかと近頃に感じるようになってきました。原因は自己主張が足りないようです。なかなか嘘はつけない性格で上手い表現もなかなか湧き出てきませんね。営業に行っても上手く表現出来ない時は太極拳を教え始めるのが私の特徴です。どうですか？この太極拳をやってみて背中に心地好い痛みのようなものを感じませんかとか…、これは背中の筋が伸び始めていますよとか…。本当に下手な営業マンですね。情けないです。(つд⊂)
時折、自分がもっと練習時間が少なくて済む武道を選べたらよいではないかと、変な夢を見ることもありますが、でも、他の武道も結構練習時間がかかっていることが多くの友人の証言で分かりました。そして、知人の空手家や柔術家も私と同じく練習時間が足りない悩みを持っているそうです。結局はこの未熟者の勝手な悩みでしたね。世の中に練習しなくても一定のレベルが保たれる武道なんかいないでしょうね。
