太極拳の理論では「盤架為本、推手為用」の言い方があります。盤架とは太極拳をゆっくり練習することですが、推手は現在、インターネットでいろいろな動画迄宣伝している太極拳の技を用いての組み手でも言いましょうか。文字通り太極拳をいかに使うとのことですね。インターネット時代で動画が横行していまして、一言、推手と言っても皆様は理解出来るとは限りません。また、中国という国から太極拳という伝統文化が世界に発信してきていますので、大本の中国がずれると世界的にはもっと大きいなずれが生じてしまいます。現代の中国では推手のなになに大会があり、他の武道見たいに円を書いて円周から出ると得点するとのやり方を取っています。大きい男が円の中でバタバタして息はあはあして一生懸命相手を外へ押し出そうとするわけです。
一般的な太極拳推手では現在、盤手という練習があります。(当研究会推手動画参照:
http://www.youtube.com/watch?v=tUlu_H6yOcc&feature=plcp)これは呉式太極拳では四正形と申し上げています。恐らくどの流派の推手も用いているではないかと思います。(形は若干違いがあります)筆者が把握している情報の中で陳式太極拳の一部の方は推手の長手と短手のいくつを練習しています。これは大変貴重なもので是非、後の世代に残して頂きたいと存じます。そして、当呉式太極拳の一部では14種類の推手基本手法と72種類の推手着手が伝わっております。勿論、14種類の基本手法と言っても簡単に習得出来るとは申し上げにくいものです。筆者は14種類の手法だけで4年近くはかかりました。師馬岳梁にこれについて質問したことがありますよ。「何故こんなに時間かかるものでしょうか?14の方法でしょう?僕、若いから師匠がやっているのを見ているだけでなんとなく覚えましたよ!」と、師馬岳梁は直接の答えを避けました:「僕は14年かかっていたよ!」若い頃の私はなかなか理解出来ませんでしたが、今になってやっと少し分かったような気がします。太極拳の難しいところはその単純さですね。太極拳の基本さえ守っていればあとは只管、同じものを繰り返し練習するのみです。推手は基本的に相手が要ります。推手の互いの相手というのはその相手より多くの恩恵を受けることになります。推手の第一の目的は健康と長寿ですよ。体のいろいろな関節、靭帯、筋肉などが、相手の哲学的な力のよって若返っていきますし、勿論、「不変もて万変に応ず」、「弱者が強者に勝つ」格闘技も自然と無理なく身につきます。
では、推手はやはり難しいものでしょうか?まあ、現代人には難しいかもしれないですね。(私も含めて)まず、推手は相手がいなければ話しになりません。私はこれから武道を愛し太極推手学習をご希望の方に教え、いずれ自分と推手出来ることを望んでおります。そして、太極拳は古代の人々が発明したものであり、当時の世の娯楽は現代とはかなり違います。古代の人は太極拳を一つの娯楽として毎日沢山の時間をかけてやっていましたが、現在では毎日時間をかけていたら、飲ミニケーションの時間がなくなれば困るわけですね。こういういろいろな社会的事情で太極拳が退化しつつあることは誠に遺憾ではあるが、仕方がありませんね!
ここで、ある程度の生活が安定していて、ノミニケーション以外にもお時間の余裕がある方々に是非、声を掛けさせて頂きたいと存じますが、太極拳と太極推手を是非、一緒にやりましょう。太極拳は体の内外の美学であり、生きている間の健康の保障と、身を守る手段であります。(秋葉原無差別殺人事件はいつ、どこで起きるのは誰もわからない)一緒にやりましょう。
そして、一つ批判的な観点を長い間ずっとこの私の心に隠して隠して、道教「無為無争」の思想が私を抑え続けているかもしれませんが、本日、本音を吐いてしまいたいです。日本という国の宣伝法ではありますが、何かの学習塾の広告では3カ月で習得可能だとかがございます。そしてそして、太極拳教室も同じようなキャッチコピーを用いていますね!これはあり得ないですよ。太極拳の奥深さが分からない人はこの様な無責任なことを言いますが、まして、そのような太極拳教室の動画を拝見させて頂くと太極拳の基本が守っていないところばかりです。太極拳愛好者の皆さん!気を付けてくださいね。
関係ない例を申し上げますと、日本伝統の歌舞伎や能などの教室で3カ月で習得出来るとのようなキャッチコピーは一切ありませんよね。太極拳だって、歌舞伎のような奥深い伝統文化ですよ。
でも、初心者の皆様、心配ご無用ですよ。私が分かり易く太極拳を教えて差し上げます。何故、言いきっているかと言いますと、本物の太極拳を絶えず探求しているからです。太極拳には完了形がなく、常に未然形です。
呉式太極拳研究会師範 沈 剛