この話題を口にする時は私はいつものように慄きます。レッスンリングの試合を見てますと、太極拳の「四両に千斤」の「勁」で、あのアタックを交わせるのか?本当に自信がないですね。だが、インターネット上では色々な分野の方が声高らかに「太極拳は最高最強の武術だ!」と、叫んでいます。おそらく、呉鑑泉、王茂斎、呉公儀、呉公藻、馬岳梁、劉萬山などの努力で呉式太極拳は現在、日本国の太極拳界隈ではかなり強い流派だとされてきています。が、今の日本の太極拳で空手や柔道と戦ってみれば負けると思います。先日、太極拳講座で借りた場所のすぐ真横に空手を一生懸命練習している青年がいましたが、上半身が殆ど振れていなくてびくりしました。以前、極真空手の煉瓦割を拝見致しましたが、それを交わすには相当難しいです。本当に全神経を集中し自分の重心の欠点を隠し、相手の一瞬の重心の偏りを攻めなければ勝目がありませんが、少なくとも私の実力では「四両に千斤」どころではありませんね!呉式太極拳の「蘭采花」に「開花锤」があり、かなり狂猛な拳法ですが、それでも勝てるかどうは自信がありません。他に同じく「蘭采花」に「点穴」の手法もあります。ただ、極真空手のプロの方もかなり早いので、的外れでもしたらおそらくぼこぼこにされてしまいます。
師馬岳梁は数回も空手の挑戦を受けていて、すべて勝ったそうです。北京劉萬山師も空手の挑戦に勝っていたと伺ったことがありますが、私は今のところあまり自信がありません。これは自分の練習不足のせいですね。現在のところ、私は1日に基本拳を2回は練習していますが、もう少し寝る時間を削ればいいかもしれないですね。
中国国内では太極拳だけの「自由博撃」という試合があります。親友の王西安師の子供で王戦軍氏が数回優勝していますが、でも、王家はK-1には進出していないですね。私達の太極拳が弱くなったことは確かです。柔道も空手も柔術もK-1で戦っています。私は太極拳でK-1で戦えないことを恥だと思っています。何とか、寝る前にもう一度太極気功を修練してこの年でいつかはK-1という夢を見ながら日々精進し練習を重ねております。
他の中華武道も同じです。どの拳法もK-1とは無縁ですが、中華武道がもう強くないと、いつかまた世界の武道家に言われることでしょう。
多くの中華武道のプロ様はこのような危機感はお持ちでしょうか。流派によって見解の違いは当然のように存在しますが、自分自身の実力を上げたいならば、理論的なことを置いておいて、練習しましょう。K-1とは申し上げませんが、太極拳の違う流派間の推手交流をはじめ、太極拳と他の中華武道間の交流などを展開すれば、自分の実力は把握出来るようになります。そして、異種交流で例え負けたとしても、自分の足りなさと練習不足を素直に認め、他の武道に頭を下げることも非常に大切です。そして、自分の実力を練習を通して上げればよいことではないでしょうか?
交流をしたくない方もご自由ですが、少なくとも他流派の解釈や基本綱要を尊重して頂ければ幸いです。
もう一度太極気功を練習して寝ます。
太極拳の実力、中華武道の実力
2013年3月21日