私は時折、若い頃の少々身についた英語力を失わない為に海外の英文ページも読んだりしております。世界各国の太極拳もtaijiも「太極勁」について大々的に語っていますね。本当に興味津々で読んでみたらどのページも適当に語っている事でかなりがかりしています。というより太極勁を習得していなければどのように正しく太極勁を語るのでしょうか。太極勁の修練の難しさですがこの知力があまり高くない私は十三勢で実に三十年間掛かっています。自分が知っている人一倍頭がいい者で、しかも努力家の者も十三勢は十四年かかっていました。師馬岳梁でさえ師呉鑑泉の元で修練し、毎日のように呉公儀師と推手の練習をしていても10年近くかかった話しは伺ったことがあります。本当に多くのページで語っている「太極勁」というものやら如何なるものでございましょうね。
私は最初の三年間の間に太極拳を何とかして三万回の練習を積みましたが、最近も多くの方に聞かれておりますね。どのように三万回を練習したのでしょうかと、小学生で学校の授業もあってどんなに努力しても一日が7~8回です。それでは間に合いません。三年間の三万回の基本拳練習は休日や夏休み、冬休み、お正月も全部献上して達成したものです。私は夏に太極拳をはじめたのでしたが、三年後の夏休みは朝6時から夜10時迄殆ど練習に費やしました。最後の最後に三万回の太極拳はギリギリ達成しましたが、学校の宿題がかなり残ってしまい2日程徹夜で算数問題を研いでいました…。この三年間ですが、自分は学校の課程を復習する時間がないと自分の計算でわかった為、授業中をかなり集中して聞いていましたね。これはただ後に復習しなくても良いとのことに過ぎません。学校での成績はトップではないですが、指五本にはいつも入っていましたね。この三年間はまさに太極拳気狂いでしたね…。でも、本当の話しこの最初の三年間で「太極勁」らしいものが何もつきませんでしたね。三年後、私は家元で「八門五歩」や「二十四功法」、「小九天後功法」などをも長い時間をかけて修練しましたが、推手となると相変わらず力尽くのものばっかりでしたね。私ですがほぼ「太極勁」の習得を断念した頃に何故か「太極勁」っぽいものが急に現れて、自分も信じられない程人様と推手をしていると相手様が急に浮くようになったのです。勿論、自分ではその後多くの方と推手をする時はなるべくこのような「勁」を出さずにして人様の怪我を最大限に避けることで自分から飛び出す時期もありました。最初の頃の「太極勁」は自己コントロールがしづらいものなのでかなり神経を使ってしまうものですね。そして、私にとって太極勁とは幼少期に子供なのにかなり大人のような行動をしなければならないことです。遊び時間や不必要な復習の時間、面白くない寂しい練習…、これは十代の人間にとっては至難の技ですね。
話題はまた太極勁に戻りますが、皆様は太極勁の習得者の割合は何%位だとお考えでしょうか。昨今の全世界太極拳教室ホームページを拝見しているとどなたも所謂「太極勁」と言う物が身に付いているようですが、結果的はどうでしょうか。王宗岳太極拳論でも張三豊太極拳論でも太極勁に触れており、太極勁の習得はひと握りとの解釈が私は勝手ながら理解しておりますが、時代が変わり太極勁も私みたいな愚か者が数十年をかける必要も無くなったのかもしれませんね。そして近代科学やデジタル化によって、太極勁の習得がかなり簡単になったのかもしれないですね…。世界ではもはや不可能がない科学技術が次々生まれています…。
だが、残念ながらわたくしは「太極勁」と言う物は先進コンピュータで作り出すことは無理だと思います。しかも、太極勁は私が誰かに「差し上げる」と一言でも言って自分の太極勁を授けることも無理です。
ならば今日の世界中に渡る「太極勁」に関するコメントは高い信憑性があるとは限らないでしょう。
太極勁は練習のい積み重ねのみ習得出来ると私が信じています。
太極勁修練の難しさ
2014年1月16日