旧 太極拳よもやま話 未分類

年の賛歌

2014年1月31日

 昨年の中国旧正月は確かに私はかなり悲観的な文書を綴ったのですが、たまには楽しい話題でもしたようがよいのではと、確かに私と言う人間は結構暗い一面もあれば、明るいところもあります。道教の基本教育は確かにあまり楽観的なものが少ないですし、限られている人生と言うものの過ごし方も近代人のような奔放的ではないはずです。幼少期より道教の教育を受けた人間は少なからず古典哲学しかない独特な考え方はあまり近代人の考えとマッチ出来る保証はありません。でも、中国人である以上、誰でも年越しを大切にするのは当たり前ですね。昨日の夜、つまり、旧暦の最後の日に数人の中国人の方と少々歓談をしましたところ、人は誰でも故郷があることから、母国はなんの罪もないこと迄と、在日新華僑の間では何故か共通する話題がかなり多かったのです。約二十年前の日本では例え中国人同士でも、故郷が違うことであるで外国人ではないかとの観点もありますし、どこどこの地方は田舎もんだとかも平気で吐き出します。でも、少なくとも現在、日本で定着している中国人の皆様は日本でよいという共通点があり、大都会であれ田舎であれ、皆は日本と言う国で自分をかなり染めてきたはずではないでしょうか。言葉の上手下手は致し方がないことです。近頃に英語を使う必要があって、しかも、タイプをしなければなりませんが、何故か自分はヨーロッパの非英語圏の人間とネットでチャットをしても、タイプスピードが明らかに遅いです。かつての自分ですが、英文のタイプはイギリス人と変わらない速さでしたが、二十数年訓練していないだけで、人間の言語力がこれ程落ちるものでございますね。言葉が例え通じなくても人間は母国以外の国で立派に生きているわけですね。これは年が私達という全世界に住み着いている新華僑を活かしてくれた証であります。
 年、人類に成長と成熟を与え続けている歴史の証人、そして、中国人や韓国人が何故旧暦に拘るのかはかっきりわからないですが、個人的にはきっと中国道教で言っている天地陰陽との密接な関係が絡んでいるのではないかと信じています。思い起こすと、25年前に私達中国人の多くと一緒に来日したのが韓国人の皆様です。勿論、他の東南アジア諸国の方々も来日していますが、同じ漢字系であることから、中国人や韓国人が日本語の習得は割っと他国の外人よりは早いです。勿論、これで社会一般的にはこの二カ国の人間に対して言葉の要求も少々厳しくなってきます。日本語学校では漢字系の人間が一級能力試験でよい点数をとることも当たり前のことですね。でも、当時の私達ですが懸命に日本語の表現力を磨いても日本人ではないことが社会的に結構目立っていましたね。自国の人間が一緒になると声が大きいとのことで、全体的に静かな日本人と比べれば、今日になっても一際目立ちますね。でも、最近になって、中国人の集めりに参加する時の感想としては、我々もいつの間にか静かになってきました。日本語の郷に入り郷に従えでしょうか。それとも、時が私達を変えてくださったのでしょうか。中国人は旧暦の年と言うものを西洋人がご復活祭のように毎年が違う日になると言う複雑な作業にも拘らず、精密に計算して毎年が祝うようにしていることは、なんとなく理解出来るようになってきたのも、年、つまり時間がくれた恵でしょうね。
 今日の世界三大宗教でいずれもアジアの神様であることは周知されていますが、キリスト教の名言で「この世にすべてを決められている時がある・・・」とのような表現はいかにも古典的なアジア人の考えに似ていることがわかります。キリスト教は現在、ヨーロッパ中心に発展していますが、その中で最も大切とされているご復活祭は東洋の月歴で計算される程、東洋文化は本来、世界そのものを象徴しているに違いがないです。
 一中国人として、一アジアじんとして誇りに思いますね。日本もかつては旧暦を祝う習慣があり、例え今日が西暦を中心に展開していても、いにしえより伝わってきた東洋思想はアジアのどの国の人々の心には永遠に存続するものだと信じております。
 私達アジア人の多くは年を祝い、そして、これをヨーロッパの人々と違う感覚が溢れていることは、もはや、時が私達を独特な民族環境で成熟させてくれたことの記しであります。
 心より新たな年に於ける皆様とこのわたくしの成長を願っております。

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