旧 太極拳よもやま話 未分類

呉陳比武

2013年8月18日

 この話題はなかなか難しくて、何度も書こうと思ったことがありますが、多くの方に叩かれてしまうことも有り得るので、ずっと控えておりました。先日、同門の呉公儀と戦っていた陳克夫先生が天に召され、同門呉公儀のことも何故か夢で出てきたりして、(実際、私は同門の呉公儀には面識がないですが)勇気を出してこの話題に触れてみたいと存じます。日本には白鶴派の方はいらっしゃいませんでしょうか。いつかお会いしてお茶でも出来れば幸いです。
 陳克夫先生は実に大往生ですね。本当に羨ましいことですね。人様の命は日本的な言い方では神様に手に委ねるしかないですが、実際、自己管理も非常に大切ですね。自慢話ですが、私は9年前に煙草を止めました。そして、今のところお酒も本当にたまにの楽しみ程度しか飲んでいません。出来る限り太極拳慢架をゆっくり修練し、太極気功も常に修練しています。でも、陳克夫先生の96歳はなかなかのことですね。私は白鶴拳のことがよくわかりませんが、話しによると外家拳になります。この大往生だっときっと何かの秘伝の内勁でも修練したのではないかと考えてしまいます。これは実際、《呉陳比武》の中でもかなり現われていますね。
 昨日、横浜天宝堂の責任者の方がシェアした「呉陳比武」の動画をもう一度研究したところ、陳克夫先生がかなり内家拳的な動きを確認しました。呉公儀の重心をコントロールしたり、呉の攻撃を交わそうとしたりしていましたね。但し、自分は白鶴拳の事がよく分からなくて技の名称もいえません。但し、全体的に陳先生が若かったこともあって、呉よりは動きが速く、シャープさも一枚上ですね。陳克夫も数回打たれましたが、これは悉く呉式太極拳の秘伝技でそれを知らないと結構不利で御座いますね。動画の中に「兰采花開花捶」がはっきりと確認出来ましたね。本当に一瞬の凄技でした。「兰采花」には点穴や挫骨の技もあったのですが、あまり人を傷つける恐れがあって遠慮したのか、それとも、同門の呉公儀は使う気力が無かったのかはなんともいえません。
 実際、呉公儀は阿片の嗜好があったことは現在の複数の書物に公けに書かれていますし、自分の二人の師匠である呉英華と馬岳梁の両名よりも伺ったことがございます。呉公儀は1899年の生まれで1985年に亡くなっていました。87歳でしたが、太極門の中ではあまり長生きとは言い難いですね。一つの悪い嗜好が到底、人間にいいことが御座いません。
 武道の世界にも禁じてがいくつかございます。人間本来の有様を反して無理な功夫を修練すると体のバランスが壊されたすることがありますね。例えば、かつての中国功夫で男性の睾丸迄取ってしまい極端な陰の武道を練習する拳法がございましたが、その方々はあまり長生きできませんでした。そして、極端な気功術も人間の体の全体バランスを壊すことがあり、気功術を修練する時はくれぐれも無理にないようにしましょう。私は道教《小九天後功法》を無理のないように修練しておりますが、まだ、誰にもお教えしていません。少しでも、雑念が入ると所謂「偏差」が起こしてしまうからです。

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